ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝のつぶやき-保険の憂うつ1

↑カテゴリーのタイトルで、編集しました。【輝の行政書士試験】をクリックすると、ひかるの行政書士試験合格までの物語だけが、出ます。🐈







保険か.....私は、生命保険には、もう入れないらしい。


以前、【掛けていた養老保険が満期を迎えます】みたいな通知が届いたので、新しい生命保険に入ろうと、テレビで有名な、ダチョウ保険に入ろうと思って相談に行った。

前もって予約を入れていたので、担当の人と会社帰りに面談をした。

担当の沢村さんは、保険の選び方やそれぞれの保険会社の特徴などを詳しく説明してくれた。

沢村さんが、「花田さんは、何を重視しますか?」と尋ねたので、

私が死んだあとの生命保険です。
医療保険とか、何のオプションも要らないんです。金額も200万円ぐらいだけでいいんです。
60歳まで生きていたら、少し利子がついて私に戻ってくるような感じのがいいんですが。

がん保険とか、最先端の治療が受けられるようなオプションは付けなくていいんですか?」と沢村さんが、びっくりして言う。

要らないです。オプション無しのシンプルなのが、いいんです。
月々の掛け金も少なくしたいですし、もし、私が死んだら葬儀代くらいの金額が出ればいいなと思って。生命保険は、相続税が、かかりませんしね。それに生命保険を掛けていたら、年末調整で、ちょっとは戻ってきますし。


{まあ、保険というより、税金対策だな}と私は、心の中でつぶやく。


「そうですか。それでしたら、こちらとこちらの保険がよろしいかと。」と
沢村さんは、二つの会社のプランを出して説明する。

私は、その内の一つの、前もって自分でも調べていた、ダチョウ保険会社のほうを選んだ。
60歳になってから、生命保険か介護保険医療保険かを選べるタイプだ。
60歳を越えて解約したら、元金に少しくらいの利子も付いて戻ってくるタイプだ。

「こちらでいいですか?では、簡単な質問事項がありますので、お願いします。」と書類を私に見せた。

私は会社勤めなので、こういう職業関係の質問は問題ない。
問題は病気関係かな...
でも、5年以内じゃないから言わなくてもいいんじゃないかな?
経過観察を念の為、続けていたら告知義務違反になるのかな?
別に何の治療もしてないし、観察だけだからいいんじゃないかな。
問題ない薬だけど、これも飲んでたらヤバイのかな?栄養剤みたいなもんだし、会社の健康診断では、先生は、問題ないって言ってくれてたけどな。

う~ん。と考えてたら、
「どうしました?心配な点でも?」と沢村さんが心配して聞いてくれる。


長い間、お金を掛けた挙げ句、最後で告知義務違反で何も出なかったらバカみたいだ。
うん、言ってしまおう。

沢村さんに、全部言う。

「そうでしたか?それは、大変でしたね。手術は、10年以上前のことですよね。経過観察だけですし、薬のほうも、多分、問題ないと思います。お待ちください。代理店のほうに電話して聞いてみますから。」と沢村さんは、奥のほうに消えていった。

沢村さんは、親切な人だな。

しばらくしてから、沢村さんが帰って来た。

「大丈夫だと思いますとのことです。」沢村さんは、安心して言った。

それで、後日、保険の契約をした。
沢村さんが、「この申し込みの時点から、保険は有効になります。」と優しく言ってくれた。

1週間くらいしてから、私の携帯に、電話が入った。

沢村さんが、大慌てで「花田さま、本当に申し訳ありません。ダチョウ保険会社の審査のほうから、契約は出来ないと連絡がございまして、代理店のほうも、びっくりしている次第でして、本当に本当に申し訳ございません。」と心底、謝ってくれる。

いえ、いっぱい、よくしてもらったし。ダメなら仕方ないですし、沢村さんのせいではないですよ。

何となく嫌な予感はしていたので、あまり驚きもしなかった。

「本当に申し訳ありません。他に何かお役にたてることが有りましたら、いつでも、お越しくださいませ。」

沢村さんは、本当に親切だ。

後日、ダチョウ保険会社の審査部のほうから、書類と返金の説明と一通の手紙が入った大きな封筒が送られてきた。
その手紙には、謝罪と私が契約出来ない理由が書かれていた。

私と契約出来ない理由は、要約すると、こんな感じだった。

【保険というものは、加入者の保険代で運用されている。加入者が平等に保険が支払われるようにしなければならない。あなたの病気は、10年以上前のものといえども、支払われるリスクが大きすぎて、他の加入者の不平等になる。だから、申し訳ないが審査は通せない。理解してほしい。】

つまり、10年以上前の手術といえども、私は、死ぬ可能性が大きすぎて、生命保険を手に入れる可能性が大きすぎる。それは、他の加入者に不公平になる。だから諦めてほしいということだ。

なるほど。私は、生命保険業界では、ブラックリストに入るのか。


そんなに大袈裟な病気だったっけ?

確かに、あの手術は、私の一大イベントの一つに入るんだろうけれど、そのあとも、ビッグイベントが目白押しだったから、かなり記憶が薄れてしまっていた。

どんなイベントだったんだっけ?
当時の記憶を甦らせようとする.....



🐈続く🐈