ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の趣味~ヨガとココのプチ家出1

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私は、ヨガを習っていた。
ココが来る二年ほど前からだ。


{最近、運動不足だな..激しい運動も、嫌だし。出来れば、座ったまま、軽く体を動かしたい。お金も少なめで。}

と、都合のいいことを考えながら、県主催のカルチャーセンターで、何かないかなと検索していた。

{あった!リラックスヨガ。これが、いい。寝たままか、座ったままで、出来そうだし。タイトルが楽そう。しかも、週一回で、お安いし。}

体験とかもあったけど、{まあ、安いし、嫌なら1ヶ月で止めればいいから、いっちゃえ!}って感じで、いきなり、行くことにした。

用意するものは、タオルと動ける服、必要なら飲みもの、これだけだった。

ヨガ用の服もないので、
{買う気が無かった。続くか分かんないし。ヨガの服って分かんないし。イメージ的には、インド系?}

T シャツとジャージのズボンと、家にあったタオル、ペットボトルのお茶を持っていった。

会社の近くのスーパーの2階にカルチャーセンターがあった。
毎週木曜日、7時から8時半まで。

会社帰りに、近くのショッピングモールで、軽くご飯して、ウインドウショッピングしてから出掛けた。

{う~、ドキドキする。恐い人とか、お局的な人がいたら、どうしよう。でも、なんか、仕事以外って、新鮮!}

ワクワクしながら、受付で手続きをして、お姉さんに部屋に案内してもらった。

{あれ、誰もいない。早すぎたか?}

更衣室に案内されて、髪の毛を横に2つに分けてくくって、着替えていると、おばさまが来た。

「あれ、今日から?横田です、よろしくね。ヨガは、気持ちいいよ。」と、愛想よく挨拶してくれる。

次にOL風の女の人が来た。
「あら、初めてのかた?よろしくね。河合です。」と、笑ってくれる。

「花田です。よろしくお願いします。」

この2人とは、気があって、ヨガのときは、仲良くいろんなことを話すようになった。

先生は、志穂先生で、小柄で眼鏡をかけていて、気さくで、体がものすごく柔らかい先生だった。

よく、みんなから、
「先生、そんなポーズは出来ません。」って言われるくらい、軟体動物みたいな人だった。

2人で、ペアになってするときもあるのだが、みんな、先生とペアを組むのは、嫌がった。

先生は、サドなのだ。
相手が痛がれば痛がるほど、喜ぶ。

「もっと、ここを押すと効くのよ。」
と、笑いながら押し続け、相手が、「痛い、いた~い。」と悲鳴をあげるのを見て喜び、さらに押す。
痛がらないと、つまらなそうにする。

ヨガっぽい格好をしている人は無く、みんな、好きな格好をしていた。
私は、始めのスタイルのままだった。

リラックスヨガは、始めは、体が固くて、帰ってから数日間は、筋肉痛でうなされていたけど、段々慣れて、楽に出来るようになっていった。

ヨガに行くと、一週間の仕事の疲れが、リセットされるみたいで、マッサージに行くような感覚で、行くようになった。

リラックスヨガは、ヨガマットに寝てするか、座ってするかのポーズばかりで、本当に楽だった。
たまに、腹筋とか背筋もあるけれど、終わった後は、気持ち良かった。

80歳くらいのおばあさんもいた。
体が、私より柔らかくて、体力もあったけど、たまに、横を見ると眠ってしまっていた。

よく、志穂先生に、
「ほら、片岡さん、起きて!」と、起こされていた。

ヨガ大好きな主婦の人もいて、いつも通り、その日は、少し遅れてきてから参加したけど、なんか来たときから、様子がおかしかった。

なんか、足を引きずっている。

志穂先生が、「足、どうしたの?」と、聞くと、

「階段から落ちたのよ。でも、大丈夫。ヨガは、休みたくないものね。」と、笑って答える。

{なんか、痛そうだし、ズボンの合間から、内出血みたいなものが、見えるんですけど...}

先生は、「じゃあ、無理しないように。痛いポーズは、止めてね。」と、言って続けた。

でも、その人は、途中から痛みがひどくなったみたいで、動きを止めた。

志穂先生が、心配して、様子を見に行く。

「ちょっと、足を見せて。」と、そっとズボンをめくると、左足が、内出血で色が変わっていて、腫れていた。

みんな、「ひゃ~」と、息を呑む。

横田さんが、「救急車呼んだほうが、いいんじゃない?」と提案する。

私も、「うん。うん。」と怯えながら、うなずく。

でも、その人は、「大丈夫です。このまま帰ります。」と、一人で帰っていってしまった。

ヨガが終わって、更衣室で、いつものように、横田さんと河合さんと着替えながら、
「あのまま帰らせて大丈夫だったのかな?」って心配しあっていた。

来週は、やっぱり、その人は来なくて、骨折していたことが、分かった。

それっきり、その人は、復活することは、なかった。

ヨガで、いろんな人が入れ替わったけど、横田さんと河合さんは、ずっといて、次第にいろんなことを話すようになっていった。



🐈続く🐈