ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の研究のお仕事7

↑カテゴリー別のタイトルで編集しています。【輝の1番目の会社のこと】【輝とミュウのこと】【日向とミュウ】をそれぞれクリックすると、1番目の会社の話し、ミュウの話しだけが見れます。🐈


卒論発表を無事、なんとか終わらせた。
大講義室は満員で、立ち見までいるほどだった。
私に協力してくれた試験場の方も、後ろのほうから見守ってくれていた。

私の発表は、なかなか面白かったみたいで、みんなずっと、前を向いて真剣に聞いてくれていた。
退屈せずに聞けたようだ。

発表が終わって、作物学研究室の教授が、「それで、やっぱり、雌雄判別は、出来ない感じなのですか?」と、興味深げに私に質問した。

私は、「この3つの酵素では、出来ない思われますが、他でもなかなか難しいと思います。」と、答えた。

農業経営学の教授をはじめ、他の教授たちが、
「なかなか、奥が深いんだよ。なかなか困難なんだよ。」と、口々に感慨深げに言い合った。

試験場の方も、満足げに微笑んでいた。

発表は、成功と言って良かったと思う。

発表が終わって一段落し、私は、やっと家に帰ってきた。

帰る電車の中で、
{ミュウは、私のこと覚えてるかな?子供を産んで、すっかり、私のこと忘れてるかも。それとも、怒ってるんじゃないかな?}と不安に思っていた。

家に着いて、
「ただいま.. .」と、小さい声で言いながら、恐る恐る玄関のドアを開けると、ミュウが、出迎えてくれていた。

「ミュウ...」
私は、感激した。

ミュウは、私を忘れていなかった。
いつも通り、私を出迎えてくれた。

「ミュウ、ごめんね。いろいろ大変だったでしょう?」と、撫でてあげる。

ミュウは、喉をゴロゴロ鳴らしながら、<ひかる、ひかる!こっち、こっち>
と、私を誘導する。

和室と縁側の間の廊下の隅に置かれた段ボールまで連れていかれ、<なかをみて>と、ミュウに言われるままに覗くと、そこには、可愛らしいミュウの子供が4匹眠っていた。

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{わあ、かわいい。}
振り返ってミュウを見ると、ミュウは、誇らしげにしている。

「ミュウ、すごいね。偉かったね。こんなかわいい子を産んだんだね。」と、私は嬉しくてたまらない。

ミュウも、満足げにしている。

「やっぱり、お姉ちゃんには、子猫を見せるのね。さすが、ミュウの親方ね。」と、様子を見ていたお母さんが、感心して言う。

「私達には、あまり、見せないのよ。隠そうとするの。」と、お母さんが言うので、余計に嬉しくなった。

ミュウは、子育てを、きちんとしていた。
もともと、世話女房タイプだったので、こまめに世話していた。
お乳をあげて、排泄を助け、至れり尽くせりだったらしい。

少し大きくなると、お母さんが、子猫にトイレを教えた。
三毛猫のミケが、1番頭がいいみたいで、すぐにトイレを覚えて、他の子達に教えたらしい。

お母さんは、「ミケは、頭がいいの。すぐに覚えて、他の子達に教えるのよ。」と、嬉しそうにいつも自慢していた。

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大きくなるにつれ、子猫達も、だんだん個性が出てきた。

好奇心旺盛で、甘えん坊なシーザー。
シーザーは、すぐに、私のお腹や胸に乗ってきて、甘えた。
ミュウ母さんと、おんなじだ。

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綺麗好きで上品なシルバー(写真左)、控え目ですぐに譲ってしまうライサー(写真右)。

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ちなみに、子猫達の名前は、お父さんが名付けた。

いろいろな性格の子猫達とミュウと、一緒に暮らすのは、幸せなことだった。

特に、お母さんは、子猫達の世話をよくしていた。

幸せなほんわかした日々が、しばらく続いた。

でも、子猫は一匹しか家に置けないと、お父さんに前から言われている。

2匹は、貰い手が決まっているから、もう少ししたら、大学まで、持って行かなければならない。
まだ、どの2匹にするかは、決めていなかった。

本音を言えば、どの子とも離れたくなくて、なかなか決められずにいた。

あと一匹も、貰い手を探さなければならない。
こっちで、知り合いに尋ねたりして何らかの方法で探そうと、頑張っていた。



🐈続く🐈