ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

大好き♥

   

 

大好き。

ミル大好き。

ココ大好き。

 

あなた達がいなくなると想像しただけで、悲しくなるよ。

 

大好きってこんな気持ち。

 

最近、同じ気持ちになる人が出来た。

 

7月から家のリフォームにとりかかっていて、それから週一回のペースでリフォームの話しをしに家にやってくる。

 

はじめは、面倒くさい。

もう、母と二人でやってよ!

って感じだった。

 

そんなこと言わないで3人でやっていきましょうよ。

その人は、いつも穏やかだ。  

 

途中でも、私はいろんな事件が起こりすぎていて、面倒くさくなって

 

計画は出来たんだから、あとは二人でやってよ!

 

そんなこと言わないで、最後まで一緒にやりましょう。

 

いつも穏やかだ。

 

穏やかだけど、よく抜けるところがあるし、忘れることも多い。

センスも悪い。

 

母と合わないこともあって、母を苛立たせることも…

 

そのときは、私が間を取り持つ

 

心配事や悩みごとを話すと、

大丈夫です。

緊張をいったんときましょう。

がんばってください。

 

その人は、いつも話をきちんと聞いて答えてくれる。

 

その人とは、すごいタイミングでばったり会う。

 

車で、違う道で待っている車をどうぞって前に入れてあげて、ありがとうって挨拶されたら、その人だった。

 

クリスマスの会社帰り、ちょっと奮発してメロンの盛り合わせとか買って帰ろうと店の惣菜コーナーを見ていたら、逆方向から真横に惣菜探しながら来たのが、その人だった。

 

さすがに、ビックリした。

 

年末に、また、来年にって挨拶して年末年始に入って休んでいて、

正月に地震のニュースを見て気になった。

 

実家が、そのあたりって言ってた気がする… 

なんか気になるな…

もしかしたら、もう、戻ってこれないかも…

担当が変わっちゃうかもな…

 

1月4日の午後5時、ちょうど私が英会話教室から帰ってしばらくしたタイミングで、その人は現れた。

 

母と玄関先で、新年の挨拶をしている。

私も、挨拶に行こう。

 

お嬢さん、ゆっくりできましたか?

その人は、優しい笑顔で問いかけてくれる。

 

ええ。はい、ゆっくり出来ました。

私は、満面の笑みでこたえる。

 

良かった。大丈夫だったんだ。

 

また、来週からよろしくお願いしますね。

その人は、嬉しそうに帰っていった。

 

来週は、一階の荷物を引越屋さんに預ける荷出しの日だ。

 

その人も、朝から来てくれていた。

 

私は嬉しくて、荷物を出す段取りをしながら楽しそうに話しかける。

 

ん?なんだか、つらそうな感じがする。

いつもと違う。

 

地震は、大丈夫でしたか?

 

その人は、堰を切ったように話し続ける。

 

その人は、その日、七尾の実家でいて、地震にあっていた。

地震の様子、近所の友達の家の被害、水の状況、道路の状況、思いつくままに、私に話したり、画像を見せていく。

 

ああ、泣きそうな顔をしている。

不安で倒れそうだ。

ずいぶん我慢していたんだろう。

 

ぎゅっと抱きしめて、頭をなでてあげたい。そんな衝動をおさえて、話を聞いて応えつづける。

 

あまりにも長い間、二人で話し込んでいたのだろう。

 

母がムッとして、

この作業は、どうするんですか?

話しに割って入ってきた。

 

お母さん、これは、雑巾でこうしてこうするよ。

あと、こうすれば大丈夫。

 

私は、ぱぱっと片付けて話しに戻る。

まだ、話したそうにしてるから。

 

いっぱい話して、少しでも不安や嫌な気持ちを減らして。

私は、一生懸命、話を聞く。

 

少し落ち着いたころ、引越屋さんと話していた母が、

終了の電話を上司に伝えないといけないらしくて、このスマホで話してって

と、私に引越屋さんのスマホを渡す。

 

もしもし

ええ、大丈夫です。

残っている荷物はありません。

ええ、

ありがとうございました。

 

私はスマホを返す。

 

いつの間にか荷出しが終わっていた。

 

ムッとしている母に、

地震が…

状況を説明する。

 

そんなこんなで、その日は終わった。

 

帰ってから、心配でたまらない。

 

いつも明るく穏やかで、家の話がするのが大好きなその人

 

自分の仕事が大好きで、家を作ることが大好き。

 

次は、こんなリフォームをするんです。次は、こんな感じの家で…

 

いつも、楽しそうに話していた。

 

でも、今は、あんなに落ち込んで、仕事が手につかない感じで…

実家は、大丈夫だって言ってたけど…

 

 

続く