ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

ずっと愛してる🌸

   

私の初めてのペット、私の大切な猫のミュウ。

 

体が弱く、喘息ぎみだった私は、ずっと動物を飼うことを禁止されていた。

 

だけど、私は、動物が大好きで、犬も猫のほうも私にすぐになついてくれたし、捨て猫や捨て犬を飼いたくて仕方なかった。

 

一人暮らしを始めた大学時代に、ひょんなことから、ミュウと出会って内緒で一緒に暮らし始めた。

 

動物を一度も飼ったことがなかった私は、無知だった。

無知な私にミュウは、根気よく教えてくれた。

 

猫を外に出したら、帰ってこなくなることを私は知らなかった。

私は、出かけるときは、ミュウを外に出した。

狭い部屋に閉じ込めておくのは可哀想だと思ったから。

 

ミュウは、私が帰るときには、いつも私の部屋の玄関の前で、ご機嫌に待って甘えながら出迎えてくれた。

 

ミュウが、迷子になったり、出迎えが遅れたことは、一度もなかった。

 

ミュウは、平日と休日も分かっていた。

大学の講義のある平日の朝は、鳴いて舐めながら私を起こしてくれた。

だけど、休日は、起こさずにずっと一緒に眠っていた。

 

風邪で熱を出して寝込んでいるときは、ずっと私にくっついて一緒に眠ってくれていた。

 

彼女は、私の保護者のようだった。

私を仔猫のように、ずっと守っていた。

 

ミュウは、魚が大好きで、いつも魚を煮たり焼いたりしてあげた。

 

ミュウは、赤い紐が大好きで、ずっと息が切れるまで紐を追いかけて遊んでいた。

 

彼女は、ずっと私を見守ってくれていた。

 

20年。

彼女は、ずっと私を育ててくれていた。

 

私は無知だった。

猫は30年生きれると思っていた。

ネットでアメリカで30歳の猫を見たから。

 

ミュウは、鼻筋を人差し指でなぞられるのが好きだった。

 

「はなはな!はなはな!」

私は、いつも鼻筋を優しく撫でた。

彼女は、いつも嬉しそうにうっとりしていた。

 

彼女は、急に弱った。

私は、病院に慌てて連れていったが、先生は困っていた。

 

私は、すぐに分かって涙が流れるのを止められなかった。

 

お別れのときが来たことが分かったから。

 

彼女は、最後まで甘えていた。

弱っててもいい。ずっとそばにいてほしい。

私は、願っていた。

 

小正月の穏やかな昼、ミュウが急に息苦しそうにした。

私は、慌てて、

「はなはな。はなはな。」と優しく鼻筋を撫でた。

 

ミュウは、うっとりと嬉しそうな顔をして、

「はなはなは、きもちいいなあ!」

って言ったかのように笑って、そのままいってしまった。

 

あまりに嬉しそうな顔で、あまりに穏やかにいってしまったので、なかなか信じられなかった。  

 

だけど、彼女はいってしまった。

 

ありがとう。 

ずっと、私の面倒をみてくれて。

ありがとう。

楽しい時間を一緒に過ごしてくれて。

ありがとう。 

私を成長させてくれて。

 

ミュウが居なくなってから、もう、動物は飼わないって心に決めていた。

 

でも、あなたは、いってからも私のことを見守っていて、そして、こんな私を心配していたんだね。

 

ありがとう。

ミルを私のもとに連れてきてくれて。

ありがとう。

ココを私に連れてきてくれて。

 

愛してる、あなたのことをずっと。

 

私は、一生あなたにかなわない。

 

ありがとう。

ずっと見守っていてくれて。

 

ずっとあなたを愛してる。