ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の研究のお仕事3

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の1番目の会社のこと】【輝とミュウのこと】【日向とミュウ】をクリックすると、それぞれ、1番目の会社の話し、ミュウの話しだけが、見れます。🐈


f:id:myuutohinata:20200717152722j:plain



「ただいま。」と、私は、玄関のドアを開ける。

玄関に待ち構えていたお母さんが、
「おかえり。それで、猫は?」と、
緊張した面持ちで、答える。

私は、キャリーバッグを玄関に置いて、キャリーバッグの扉を開ける。

ミュウが、ゆっくりとキャリーバッグから、登場して伸びをする。

「ミュウよ。」と、私は、お母さんに紹介する。

ミュウは、お母さんの顔を見上げて、
「どうも!」という顔で、お座りする。

お母さんは、
「ミュウさん。ミュウさんですか?
輝のお母さんです。」
と、ミュウに礼儀正しく、挨拶する。

{なぜ、敬語で??}

お母さんは、明らかに緊張で、言動が、少し、おかしくなっている。

ミュウが、そこらじゅうの匂いを嗅ぎ始めて、移動し始める。

ミュウは、まるで、緊張していないようだ。
多分、家の匂いが、私の匂いと同じなので、安心しているのだろう。

{ここが、新しい住まいね。}と、
ミュウは、理解したようだ。

お母さんが、慌てて、
「お姉ちゃん、トイレを先に教えてあげないと!」と、私に言う。

私は、荷物を応接間に放りこんで、トイレを設置しようとすると、ミュウは、玄関から、台所のほうへ、トコトコ歩き出して、探検し始める。

{なかなか広いじゃない。いろいろ調べないとね。輝のためにもね。}と、嬉しそうだ。

ミュウは、世話女房タイプだ。
ミュウは、私のことを、何故か、子猫のように思っていて、私の世話を焼くし、守ろうとする。

「お姉ちゃん、あの子、一人で行っちゃってるけど、大丈夫なの?」と、お母さんが、慌てて、私に聞いてくる。

「トイレより、場所をいろいろ確認したいみたいね。好奇心旺盛な子だから。」と、私は、笑って答える。

「お母さん、トイレを置く場所は、ここと、あと、どこが、いいかな?」と、玄関先にトイレを1つ用意して聞く。

「そうね、台所のほうに。」と、
言うので、用意して、台所に行くと、ミュウが、既に、台所を、匂いを嗅ぎながら入念に点検している最中だ。

「おなか空いてるんじゃない?」と、
お母さんが、心配して聞いてくる。

「そうね、移動中、全然食べなかったし、水も飲まなかったから。」と、
答えて、いそいそと、水とカリカリを台所に設置する。

そうしているうちに、ミュウは、台所の点検を終えて、次の和室に入っていく。

「お母さん、可愛いでしょう?三毛猫なの。」と、私が、自慢げに話すと、

「あれは、三毛じゃないわ。三毛猫とは、違うわよ。」と、お母さんが、反論する。

「え??そうなんだ。」と、私は、びっくりする。
白、黒、茶色の三色が有れば、三毛だと思っていたからだ。

まあ、三毛でなくても、ミュウは、可愛い。
ミュウは、ミュウなんだから、何でもいい。

そうこうしているうちに、ミュウは、更に応接間を点検して、一階を確認し終えて、台所に戻ってくる。

{だいたい、把握したわ。}と、
ミュウは、満足そうだ。

「ミュウ、カリカリとお水は、ここよ。トイレは、ここと、ここね。」
と、私は、ミュウに説明する。

{分かったわ。}と、ミュウは、水とカリカリを食べ始める。

「まあ、すぐに理解するのね。賢い子ね。」と、お母さんは、感心する。

しばらくして、設置した台所の猫トイレに、入ろうとしていたので、
「あ!お母さん、ミュウ、トイレみたい。見られるの嫌がるから、向こうに行こう。」と、お母さんを連れて、2人で応接間に移動する。

応接間で、私は、荷物の整理をしながら、お母さんに、ミュウを飼うようになった経緯などを話していた。

ミュウが、応接間にトコトコ歩いて、やってくる。

「ミュウ、落ち着いた?」と聞くと、

{ええ。}と私の膝に乗って甘えてくるので、抱き抱えて優しく撫でてあげる。

「本当に、物怖じしない子ね。」と、お母さんが、恐る恐るミュウに触る。

ミュウは、目を細めて、お母さんに撫でさせてあげる。

お母さんは、喜んで、
「可愛い子ね。ミュウさん、よろしくね。」と、撫で続ける。

ミュウは、のどをゴロゴロする。

お母さんとミュウの初対面は、大成功だ。

しばらくして落ち着いたミュウは、応接間の窓際のソファーの上の座布団に移動して、眠ってしまう。

長時間の移動だったし、やはり、随分、緊張していたのだろう。
ようやく安心して、疲れが、どっと出てきたみたいだ。

まだ、ミュウは、一歳になっていない。もうすぐ、一歳になるぐらいなのだから、当然だ。

「ミュウ、おつかれさま。」と、私は、ミュウに優しく言って、鼻筋を優しく撫でて、しばらく、そのまま、眠らせてあげる。

その間に、荷物の片付けをして、お母さんにお土産を渡して、いろんな話しをして、くつろいだ。

「ミュウは、焼き魚が好きで、身をほぐしてあげると喜ぶよ。特に、鰆の西京漬けが、大好きで、味噌をちゃんと洗ってから、焼いてあげると大喜びするよ。」と教えてあげると、

「魚が好きなのね、今日の夕食に焼いてあげるわ。」と、お母さんは、嬉しそうに言う。

お母さんは、ミュウに、もう、メロメロだ。

「じゃあ、お父さんが、仕事から帰ってから、一緒に食べよう。」と、
私は、笑って答える。

{お父さんは、ミュウを気に入ってくれるかな?ミュウは、お父さんにも、懐いてくれるかな。}

ミュウは、誰にでも人懐っこい。
でも、たまに、「シャー」と、牙を向く人がある。
何の基準なのか、私には、さっぱり分からない。

{多分、大丈夫だろう。}と、
ぼんやり思いながら、私も、疲れからか、眠ってしまった。



🐈つづく🐈