ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の研究のお仕事5

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の1番目の会社のこと】【輝とミュウのこと】【日向とミュウ】をそれぞれ、クリックすると、1番目の会社の話し、ミュウの話しだけが、見れます。🐈


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朝、目覚めると、ミュウが、私の右肩に頭を乗せて眠っている。
本当に、可愛らしい。

リビングの前の洋間に、布団を敷いて、私達、家族4人は、眠っていた。

横の和室に、おじいちゃんとおばあちゃんは、いつも眠っている。
和室の前は、台所になる。

おばあちゃんが、もう、起きていて、台所で、カタカタ音がする。
みんなの朝ごはんを作っているようだ。

ミュウが起きて、私の顔を舐め始める。
{朝、起きたら、顔をきれいにしないとね。}
ミュウは、私の世話をしたがる。

「ミュウ、ありがとう。もう、いいよ。きれいになった。」と、少し、顔をヒリヒリさせつつ、私は、ミュウを撫でて、立ち上がって、台所に行く。

{そう?}と、ミュウも付いてくる。

「おばあちゃん、おはよう。朝ごはん、作ってくれてるの?」と、声をかけると、

「輝ちゃん、おはようさん。ゆっくり、眠れたんか?」と、おばあちゃんが、笑顔で、出来立てのハムエッグをテーブルの上のお皿に並べていく。

私は、ミュウに、新しいカリカリをあげて、水をかえてあげながら、
「うん、よく眠れたわ。朝から、豪華版だね。」と、笑いながら、テーブルを見渡す。

ハムエッグに、ポテトサラダ、焼いたフランクフルト、焼き海苔が、ずらりと並ぶ。

「おばあちゃんは、夜中に、その子に、起こされたわ。戸棚の上から、私の布団の上に飛び乗ってきて、{私が、輝ちゃんの一番なのよ}って言わんばかりに、おばあちゃんのお腹の上に乗って、顔を見下ろしてたわ。」と、私に、笑いながら話す。

{ミュウ、夜中に何してんの...}

おじいちゃんが、起きてきて、
「輝ちゃん、おはよう。夜中に台所から、カリカカリカリ、音するから、何事かと思って覗いたら、その子が、台所でご飯を食べてたわ。暗闇で、目が光っているから、びっくりしたわ。」と、笑いながら話す。

「あ!ミュウは、夜中でも、好きなときに食べるから、いつも、カリカリを置いてるの。恐がらせてごめんね。」と、私は、おじいちゃんに謝る。

おばあちゃんが、お味噌汁とご飯を入れてくれて、
「さあ、おあがり。」と言ってくれたので、おじいちゃんと席に座って、食べ始めた。

食べていると、みんなも起きてきたので、一緒に食べた。

みんな、「美味しい。」と、朝ごはんを喜んで頬張りながら、いろいろな話しをして、楽しんだ。

しばらく、ゆっくりしてから、たくさんのお土産をもらって、家に帰った。

「また、遊びにおいで。」と、
おじいちゃんとおばあちゃんは、満面の笑顔で、見送ってくれた。

家に帰ってから、お母さんは、おばあちゃんに、家に無事に着いた連絡とお礼の電話をしていた。

私は、着替えて、ゆっくりと応接間で、ミュウと戯れていた。

電話が終わったお母さんが、応接間にやってきて、

「お姉ちゃん、おばあちゃんが、ミュウは、妊娠してるって言うのよ。それで、もう、いつ産まれるか分からない状態だから、家に置いといてあげなさいって。」と、慌てて言い出す。

「え!そんなことないよ。ミュウは、太っているだけだよ。ただの肥満で、お腹、出てるだけだよ。」と、
私は、抗議する。

私は、ミュウの避妊手術を、今まで、放っていたわけではない。
ミュウは、いろいろ、病院にかかることが多かったので、獣医さんにも、避妊手術をしてほしいと何度か相談をしていた。

でも、どの獣医さんも、一歳を過ぎてからって、答えるので、私が、卒業してから、3月にこっちで手術させようと思っていたのだ。

「でも、おばあちゃんの目は、確かだし。突然、産まれることになって、お姉ちゃんが、大学に行ってて、いないときだったら、どうするの?もうすぐ、産まれるかもって言ってたし。」と、お母さんが、心配して訴える。

お父さんは、ショックを受けている。
{あの孫が、妊娠なんて。そんな、あの子に限って。}という感じだ。

弟は、心配して、ミュウを見ている。

「でも、本当に、ただの肥満よ。」
と、私は、さらに抗議する。

弟が、「お姉ちゃん、でも、ミュウに、何かあったら大変だよ。家にいれば、大丈夫だよ。」と心配して訴える。

私は、黙りこんで、ミュウを見る。

妊娠してるとは、どうしても思えないし、妊娠していないはずだ。

ただ、何故か、ミュウが、出産は、自分一人で出来なくて困っているイメージが、私の頭に浮かぶ。
それは、ミュウには、命取りになるイメージも、頭に浮かぶ。

支離滅裂で、整合性が全く無いが、ミュウの命が1番大事だ。
その結論だけが、正解だということだけが、分かる。

しばらく、考え込んで、
「分かった。ミュウは、置いていくわ。帰れるときに、なるべく早く帰ってくるから。」と、私は、しぶしぶ答える。

理由も過程も、全く説明出来ないが、それが、正解なのだ。

こうして、私は、3日後に、一人で下宿先に戻ることになった。

実家に置いてきて、落ち着いたミュウを、再び、こっちに持ってくることは、出来ない。
これも、理屈ではなく、分かっている。

私は、もう、2ヶ月もしたら、帰れるのだし、仕事もそっちになる。

でも、ミュウのことが、心配だ。
ずっと、一緒だったから、本当は、1日でも、離れたくない。

お母さんから、電話が来るたびに、ミュウの様子を聞く。

「ミュウは、夕方になると、玄関に座って、お姉ちゃんが、帰ってくるのを、毎日、ずっと、待っているわ。」

涙が、溢れだす。
今すぐにでも、帰ってあげたい。
やはり、連れて帰れば良かったと、悲しくなってくる。

「ミュウは、家の団地の裏の工場へ、遊びに行って、野良猫集団といるようになってしまったわ。」

ミュウは、ぐれてしまった。
私が帰って来ないからだ。

「ミュウは、夕方には、必ず、家に帰ってくるから、野良猫集団から、呆れられて、もう、来るなって言われたみたい。」

ミュウは、ずっと、そうだった。
私が二階の下宿先に帰ってくると、必ず、玄関のドアの前に座っていて、甘えてから、鍵を開けて、一緒に部屋に入る。
何時に帰っても、必ず、座って待っている。
ずっと、そこで、待っているわけではなく、私が帰る頃に戻って待っているようだった。

私は、初めて飼ったのが、ミュウだったので、猫は、いつでも、帰る頃には、待っているものだと思っていた。
だから、安心して、ミュウを外に出していた。
ミュウは、約束を破ったことは、一度もなかった。
必ず、帰ると待っていた。


だから、実家でも、ミュウを外に出していいと言っていた。
ミュウは、必ず帰る。
そう、信じていた。

そうこうしているうちに、分かった。
ミュウは、あのときは、やはり、妊娠していなかった。

しかし、妊娠することになった。
裏の工場で知り合ったボスが、相手だ。

{おばあちゃん、何してくれてんの..}

お母さんが言うには、近所のボス猫が、ミュウを家まで迎えにくるようになっていたとのことだった。

私が、大学のことを一段落して、帰れる少し前に、ミュウは、出産した。

お母さんが、買い物に出かけているとき、その頃、大学から、家に少し帰ってきていた弟が、応接間でソファーを背にして、テレビを見ているときだったらしい。

弟の頭の後ろ、ソファーの座布団の上で、ミュウが、産気付いた。
弟が、慌てて、家の外に出ると、ちょうど、お母さんが、買い物から帰ってきた。
弟は、急いで、お母さんを呼んで、2人で、ミュウの出産を手伝った。
ミュウは、ソファーの上で、2人に見守られながら、出産した。
ミュウの出産は、なかなか手こずって、長引いたらしい。
特に最後に出てきた子供、後のライサーが、少し大きくて、なかなか出にくく、大変だったらしい。


ミュウは、何とか無事に4人の子供を出産した。




🐈続く🐈