ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の研究のお仕事4

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の1番目の会社のこと】【輝とミュウのことか】【日向とミュウ】をそれぞれクリックすると、1番目の会社の話し、ミュウの話しだけが、見れます。🐈


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応接間の壁際のソファーで、仰向けで眠っていた私は、胸の上の重さで、目が覚める。

目を開けると、ミュウが、いつものように、私の顔に顔を向けるようにして、私の胸の上に乗って、眠っている。
いつの間にか、移動してきて眠ったのだろう。
いつも通り、かわいい寝顔だ。

しかし、重い。
ミュウは、もう、3kgを超えている。

来た頃は、片方の手のひらに乗るくらいの子猫で、眠るときは、私の右の鎖骨あたりの上に乗って眠っていた。
その頃の名残で、たまに、私の胸の上で眠る。

初めて来た場所で、緊張が解けて、甘えているのだろう。

しばらく、そのまま、ミュウの寝顔を見ていると、ミュウも、目が覚めた。
ソファーの下に飛び降りて、伸びをする。

お母さんが、
「あら、2人とも、目が覚めた?よっぽど疲れていたみたいね。」と、笑いながら言う。

時計を見ると、もう6時前だ。

「おなか空いたでしょう?ミュウに、アジの開きでも、焼いてあげましょうか?」と、嬉しそうに聞いてくる。

「うん。ミュウは、アジも好きだから、喜ぶよ。」と、答えると、お母さんは、いそいそと台所に焼きに行く。

しばらくして、アジの匂いがしてきたので、ミュウが台所に行って、お母さんの足元で、甘えて催促する。

「あら、ミュウ、もうちょっとで、焼けるから、待っててね。」と、
お母さんも、嬉しそうだ。

焼き上がったアジの開きをほぐして、お母さんは、新聞紙の上に置いて、ミュウにあげる。

ミュウは、嬉しそうに頬張りながら、お母さんに、「ミャア」と、お礼に鳴いて、甘える。

以後、お母さんは、毎日、ミュウのために、魚を焼いたり煮たりして、あげることになる。
お母さんは、ミュウの喜ぶ顔が見たいからだ。

しばらくして、お父さんが、会社から帰ってきた。
今日は、定時に帰ってきてくれたようだ。

「お父さん、おかえりなさい。」と、出迎えると、ミュウも、
{おかえりなさい。}と言わんばかりに、私の隣に座って出迎える。

お父さんが、
「ただいま。この子か?」と、聞いてくると、ミュウは、お父さんに、
{ええ、そうです。}と、スリスリと甘えにいく。

お父さんが、撫でると、さらにスリスリして甘える。

「かわいいな。名前は?」と、お父さんは、すでに、もうメロメロだ。

「ミュウよ。」と、教えてあげると、

「ミュウちゃんていうのか、ミュウちゃん、よく来たね。」と、ミュウに、優しく語り始める。

お父さんは、初めての孫が出来たみたいな状態になってしまっていた。

そのあと、みんなで、夕食を食べている間も、お父さんは、自分の魚をほぐして、ミュウに嬉しそうに与えていた。

食事が終わって、ゆっくりしているときに、お父さんに、
「ミュウは、この赤いヒモが大好きで、これで、よく遊ぶの。」と、
リードにも使っている赤いヒモで、ミュウと遊ぶやり方を教えてあげる。

それ以来、お父さんは、ミュウと赤いヒモで、遊ぶようになった。
ミュウも、嬉しそうに遊ぶ。
楽しすぎて夢中になるのか、たまに、お父さんが、足を取られて転んでいる姿を見ることもある。
それでも、お父さんは、嬉しそうに笑っている。

ミュウは、お父さんも、すぐにメロメロにしてしまった。

こんなふうに何日か、家で楽しく過ごしていて、せっかくだから、大阪のおばあちゃんちに行って、おばあちゃん、おじいちゃんにも、ミュウを見せてあげようということになった。

おばあちゃんたちも、私に久しぶりに会いたいだろうしということで、土日で、一泊二日で、お父さんの車で、ミュウを連れて行くことになった。

弟も、大学から、ちょうど帰ってきていたので、一緒に行くことになった。
もちろん、弟も、一瞬で、ミュウにメロメロになっている。

運転はお父さん、助手席に弟、私とお母さんは後部座席に、ミュウは、リードを付けて、私の膝に二本足で立って、窓の外を見たり、甘えたりしながら、おばあちゃんちに向かった。

ミュウは、車が好きなので、嬉しそうだった。
家族のみんなも、ミュウが、はしゃいでいるので、楽しそうだ。

途中、サービスエリアで、ミュウに、お水とカリカリをあげて、問題なく、おばあちゃんちに着いた。

「輝ちゃん、久しぶりやな。また、べっぴんさんになって。あれ、また、そんなボロボロのジーンズはいて。膝が破れてるやないの。あとで、新しいの買いに行こうな。」

おばあちゃんは、満面の笑みで、出迎えてくれる。

ジーンズは、破れてるのが、流行っているのだが、買ってもらおう。}

「おばあちゃん、ありがとう。おばあちゃんも、元気そうで良かった。あっ、この子がミュウね。お母さんが言うには、三毛じゃないらしくて。」と、弟が、抱っこして連れてきてくれたミュウを紹介する。

「三毛じゃない?何を言ってるの。完璧な三毛やわ。」と、おばあちゃんが、キッパリと言い放つ。

{...お母さん...}私は、絶句する。

「また、根性のありそうな猫を選んだもんやな、輝ちゃん。」と、
おばあちゃんが、ミュウを観察する。

ミュウも、{ただ者じゃないわね。}と、真剣な顔をして、おばあちゃんをじっと見る。

2人の間に、何故か、対抗心?ライバル心?のようなものが、芽生えている。

「よう来たな、輝ちゃん、みんなも。ほう、可愛い猫やな。疲れたやろう。とりあえず、みんな、上がって、ゆっくりしなさい。」と、おじいちゃんが、私たちを誘導する。

「ありがとう、おじいちゃん。ミュウよ。可愛いでしょう。」と、私が言うと、ミュウは、おじいちゃんにスリスリして、いつものように甘えに行く。

「おう、おう、可愛いな。」
おじいちゃんは、メロメロになりながら、ミュウと一緒に階段を上がって行く。

二階のリビングで、みんな、くつろいで、ミュウと遊んだり、おしゃべりしたり、お茶したりして、しばらく、楽しく過ごした。

そのあと、おばあちゃんが、近所のジーンズショップに連れていってくれた。
私の破れたジーンズが、よほど気になるらしかった。

おじいちゃんとお父さんは、ミュウをみているからと、家に残った。

おばあちゃんは、いつも、私達が来ると、服を買ってくれる。

「好きなのを選びなさい。」と、
おばあちゃんが、私達に言ってくれるので、みんな、それぞれ、服を選びに行った。

私は、もちろん、ジーンズだ。
私は、SOMETHINGのスリムのデニムジーンズが、お気に入りだ。
好きな色を選んで、サイズを二つばかり選んで、試着室に行く。
おばあちゃんも、一緒に付いてきて、試着した私を見てくれる。

「よう似合ってるわ。」と、おばあちゃんが、目を細めて微笑む。

おばあちゃんの嬉しそうな顔を見ると、私も嬉しくなる。

私は、それを選んで、店員さんに裾をあわせて直してもらう。

その間に、弟はパーカーを、お母さんは、カーディガンを選んできて、おばあちゃんに、みんな、買ってもらった。


その夜は、ごちそうしてもらった。
出前のお寿司に、おばあちゃんお手製の唐揚げ、天ぷら、茶碗蒸し、煮ものに、サラダと、盛り沢山だった。
おばあちゃんは、料理が得意で、本当に美味しい。

お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんに、弟は、美味しそうに、ビールを飲み、私とお母さんは、烏龍茶を飲んで、大いに食べて、笑って、いっぱい話した。
ミュウも、お寿司のマグロやエビ、アナゴなどのネタをもらって、嬉しそうだった。

その日は、みんな、幸せな気分で、眠りについた。



しかし、次の日、おばあちゃんの思いがけない言葉で、想像もしていなかった事態に陥ることになる。




🐈続く🐈