ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ミルとの出会い4~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝とミルのこと】をクリックすると、ミルの物語だけが、出ます。🐈





まだまだ、細いミル

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朝早く、会社近くの新しい動物病院に、お母さんと車で向かう。

開業時間20分前に着いて、駐車場で心配を募らせながら待つ。
この一秒一秒が、ミルにとって、命取りになるのではないかと、心配で心配でたまらない。

ドアが開いて、急いで入る。
優しいベテラン風の女性のスタッフが、対応してくれる。
問診票に、必要事項を書いて渡し、その女性スタッフの山崎さんに、詳しい状況を説明する。

山崎さんは、優しくて、
「大丈夫ですよ。治りますからね。しばらくお待ちくださいね。」と、私を安心させて、奥に行く。

待合室で、お母さんと待っていると、
右目が赤く飛び出しているブルドッグを連れたおじさんと、ペルシャ猫を可愛いカゴに入れた女の人が、来院した。

まだ、開業して2ヶ月も経っていないので、まだ、そんなに混んでいないようだ。

ミルは、近くに犬がいるので、キャリーバッグの奥の方で、大人しくしている。

ブルドッグは、一目見て、重症そうなのが、すぐ分かる。

心配して見ていると、私のほうに、ブルドッグが、しっぽを振りながら近寄って来たので微笑むと、おじさんが、

「急にこんなになっちゃってね。でも、ここの先生は、よく話を聞いてくれるし、なかなか腕がいいよ。」と、
話してくれる。

ネットで見た顔の院長先生が、診察室から、おじさんを呼んだので、おじさんは、慌ててブルドッグを連れて、診察室に入っていく。

「花田さん。」と別の診察室から、眼鏡をかけた30代後半くらいの優しそうな先生が、診察室のドアを開けて呼ぶ。

院長先生の同僚のほうの藤堂先生だ。

私は、キャリーバッグを抱えて、お母さんと、診察室に入る。

ミルを診察台に置こうと、キャリーバッグから出そうとするのだが、ミルが、出されないようにキャリーバッグに爪を立てて、しがみつくので、なかなか出せない。

藤堂先生が、「大丈夫ですか?」と言って、キャリーバッグを持って助けてくれるので、私は、両手でミルの腰を持って引っ張り、やっとミルを出すことに成功した。

ミルを診察台に置いて、
「すみません。」と謝ると、

「いえいえ、生年月日は分かりますか?」と聞くので、
拾った事情を説明して、
「多分、2ヶ月くらいなので、7月か6月くらいでしょうか?」と答えると、藤堂先生は頷いて、7月と記入する。

「体重を計りますね。」と計ると、
650g しかない。少なすぎる。というか、全然、増えてないんじゃ....

先生が、様子を聞くので、
「食べても食べても、吐いてしまうんです。」と、答えると、
先生は、「かわいそうに...」と心配そうな顔をして、ミルをいろいろ詳しく診てくれる。

抗生物質の注射を打ちますね。」と、先生が用意をしていると、ミルが素早く近づいてきて、二本足で立って、私にしがみついた。

「大丈夫、大丈夫。」とミルを優しく撫でる。

先生が、注射を打とうとすると、振り向いて噛もうとするので、そのまま、体を優しく押さえて、「お願い、我慢して!がまんよ、がまん。」と宥める。

ミルは、ウ~と仕方なく我慢する。

その間に「よしよし、大丈夫ですからね。」と優しい口調で、注射を済ませた先生が、

「よくある事例で、なにか固体か毛糸玉みたいなものを飲み込んで、胃腸に詰まっているケースが最近あります。その場合は、レントゲンで調べてみて、手術しないといけません。」と言う。

お母さんが、「え!手術!」と、びっくりする。

先生が、「あとは、点滴をして、様子をみるか」と言いかけたので、

私が、「点滴は、結構です。」と、ピシャリと言う。

「分かりました。では、抗生物質を出しますので、2日後に、また来てください。そのときまでに考えてみてください。私達もいろいろ調べてみます。」と言って、奥に行って、素早く薬を調製してきて、

「この一塊を細かく砕いて、ごはんに混ぜて、あげてください。」と、青い結晶みたいな薬を渡してくれる。

「ありがとうございます。よろしくお願いします。」と言って、私達は、診察室を出る。

ブルドッグのおじさんは、まだ、診察室に入っている。

山崎さんが、「大丈夫ですよ。お薬を飲ませてあげてくださいね。月曜日に、また来てくださいね。」と優しく言ってくれる。

「ありがとうございます。」と、会計を済ませる。
{えっ!やっす。前の病院代のサービス価格みたいになってるけど...}

お母さんも同じことを思ったらしく、驚いて、私の顔をみる。


車で帰る途中、お母さんが、「手術代は、お母さんが出すからね。今日は、レントゲンは、しなくて良かったのかしら?」と心配そうに聞く。

「う~ん。なんか他の原因だと思うんだよね。」と私が、ぼんやり答える。

{原因が、分かればいいんだけどな...ただ、ミルが、何か飲み込むようなバカじゃないのだけは、分かるんだけどな...あの先生は、動物好きのいい先生なんだけど、これと言ったらこれしか見えなくなるタイプな気がするな..}と、いろんなことを考え続ける。


ただ、藤堂先生が出してくれた青い結晶の薬は、なかなか良くて、ミルの吐く回数が減った。

それだけでも、ミルは、かなり楽になったようだ。

月曜日は、会社なので、会社から帰って、ミルとお母さんを乗せて、病院に、また行かなくてはならない。でも、この病院は、夕方の部は、20時まで診察しているから、間に合う。

{心配だし、会社の近くだから、ミルを会社に連れていきたいな。病院も会社の近くだし、ずっとミルの様子もみれるのに。昔見たドラマの “ ショムニ ” だったら、森本レオが演じてた課長は、猫と一緒に仕事できてたのに}と無理なことを思いながら、ずっと、ミルの原因を考え続ける。





🐈続く🐈