ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ココの登場3~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝とココのこと】をクリックすると、ココの物語だけが、出ます。🐈






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入院の用意をしないと...

まず、市役所で、必要な書類は..
「お母さん、この書類を市役所で、もらってきといてね。スクーターは、禁止だから、自転車かタクシーで、行ってね。」

あと、必要なグッズは、土日で、セリアで、揃えよう。
セリアは、100円で洗面器から、コップ、お箸セット、なんでも揃うし、なかなか品質もいいし、可愛いのも置いてあるから、便利だ。
どうせ、入院後は、捨てるんだし。

あと、九谷医院に、土曜日に行く..
ん、待てよ?ちょうど、この金曜日に、薬を取りに行く時期だったな。
いつも通りに、金曜日にしよう。

九谷医院は、市内にある内科、神経科心療内科、精神科の病院だ。
九谷先生と、看護師の奥様の夫婦で、しておられる。あと、薬剤師のかたが、1人いる。みんな、いい人ばかりだ。


昔、お父さんが亡くなって、落ち込んでいたお母さんは、しばらくして、カルチャーセンターで大正琴を習い始めた。

カルチャーの仲間とも仲良くなり、カルチャーで、旅行にも行くようになり、大会にも出ていて、楽しそうにしていた。
それで、私は、安心して好きなようにさせていた。


ある日、お母さんの様子が、おかしくなった。
ずっと眠らなくなった。
眠らずに、ずっと行動している。
命が危険だ。


やむを得ず、緊急入院させることになった。

多分、真面目で、ずっと専業主婦だったお母さんは、大正琴の世界に、のめりこみすぎたのだろう。

気づかなかった私が、迂闊だったのだ。私のミスだ。

なかなか退院させてくれない病院を、強引に退院させて、困っていた私を救ってくれたのが、九谷先生だった。


(もし、この経緯の物語が、読みたいという要望の方があれば、また別の物語で、書きますね。🐈)

九谷医院は、平日夜8時までしてくれているし、予約も要らず、内科もしているので、風邪の患者さんやら、子供さんやら、いろんな人が待合室にいた。

九谷先生は、お年を召しているけれど、医大系列で、勉強熱心な先生で、いつも、机に取り寄せた最新の医学書があった。パソコンも、最新のものを導入していて、本当に医学一筋の先生だ。奥様も、ずっと先生を支えてらっしゃる。

九谷医院には、1ヶ月に一回、薬をもらいに行っている。
金曜日に、会社帰りに市内の駅で、お母さんと待ち合わせ、病院に行き、帰りに2人で、美味しいディナーを食べて帰ることになっていた。

帰りのディナーが、お母さんには、楽しみになっていた。



その日も、会社帰りに、駅前に車を停めて、待っていたお母さんを、車に乗せて、九谷医院に行く。
今日は、患者さんが、五人くらい待っている。

「あら、花田さん、お元気そうね。」
と、奥様がお母さんに、嬉しそうに挨拶して、受付をしてくれる。

「はい、おかげさまで。」と、お母さんが、上機嫌で答える。

{いや、手術を控えているのだが...}

お母さんと、待合室で、テレビを見ながら、順番を待つ。


「花田さ~ん。」と、九谷先生が呼んでくれたので、2人で一緒に診察室に入る。

先生が、「調子は、どうですか?ご飯は、美味しいですか?夜、何時間寝ていますか?」と、定番の質問をする。

お母さんは、「はい。美味しいです。11時から7時まで、寝ています。」と、定番の答えを言う。

いつもなら、ここで、奥様も交えて楽しく世間話をして、薬をもらって終わりなのだが、

「今度、心臓ペースメーカーの手術を受けることになりまして、今の薬は、入院中、飲んでいても大丈夫ですか?」と、私が切り出す。

奥様が、診察室に入ってきて、
「まあ、心臓ペースメーカー?不整脈か何か?」と、心配して聞く。

「心電図で調べたところ、1日に数回、心臓が止まっているみたいで。」と、私が答える。

「薬は、問題ないですよ。大丈夫です。どの病院ですかな?」と、九谷先生が、聞いてくれるので、

「田山病院の浅井先生が、執刀医です。」と、答える。

「ほう、浅井か。まあ、大丈夫ですよ。近所でも、心臓ペースメーカーを入れてる爺さんがいますが、今でも、ピンピンしてますよ。なあ?」

「そうですよ。確か、10年くらいで、一回入れ替えてましたよね。今でも、元気いっぱいです。」と、奥様も、賛同する。

「そうそう、昔の心臓ペースメーカーは、大きくて、5年くらいしか持たなかったけれど、今は、性能も良くなって、コンパクトになっていて、長持ちしますよ。ほんとに、小さくなってますからな。大丈夫。手術も短時間で、終わりますよ。」と、先生が、お母さんを安心させる。

「そうですか。」と、お母さんが、安心して笑う。

「それで、先生。入院になるんで、今回、少し多めに薬をもらえませんか?」と、私は頼んでみる。

「そうか、そうか。そしたら、2ヶ月分、今回は、出しときましょう。1日に二回分の量をだしときますからね。」
と、先生は、快く承諾してくれる。

お母さんの薬は、0.75mgの薬1錠とこの副作用を抑える薬1mgの薬1錠を1日に夜に一回飲むだけだ。


(今は、久谷先生が休業したときに、ちょうど、開業していた家の近くのクリニックに変わって、2ヶ月に一回薬をもらいに行っているが、そろそろ薬を止めてもいいかどうか、先生が思案中だ。)


奥様から、薬を受け取り、会計をする。

「じゃあ、花田さん、手術が終わって、元気になったときに、また来てくださいね。」と、奥様が、お母さんに、優しく言ってくれる。

「はい。」と、お母さんが、元気に答える。


それから、2人で、いつものレストランで、ディナーを楽しんだ。

お馴染みなので、店員さんが
「いつも、ありがとうございます。」と、丁重に扱ってくれる。

お母さんは、いつもの、大海老フライを食べて、幸せそうだ。


来週は、私の大腸の検査を終わらせて、お母さんの入院は6月だから、まだ、一週間ゆとりがある。

ちょっと、一息できそうだ。



🐈続く🐈