ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ココの登場2~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝とココのこと】をクリックすると、ココの物語だけが、出ます。🐈






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「花田 輝さん、診察室7番にお入りください。」と、アナウンスが聞こえたので、急いでノックして入る。

30代の男の先生だ。
「健康診断の二次検査ですね。前にも、こちらでしたことが、ありますね。」と、優しく言う。

「はい。そのときは、小さいポリープを取ってもらいました。」

{2ミリの本当に小さいものだけど..}

「じゃあ、内視鏡検査をまたしますね。女の先生が、いいですか?僕で良かったら、来週の金曜日でも、出来ますが?」と、桐生先生が、控えめに問いかける。

「女の先生じゃなくても構いません。来週の金曜日に入れてください。」と、私は即答する。

{何でもいいから、ここを早く終わらせて、向かわないと...早く、早く。}

桐生先生が、「何か心配事か何か、あるんですか?慌ててるみたいですけど。」と、心配して聞く。

私は、顔に出やすい..

「すみません。さっき電話で、親の病院から呼び出されまして」と、素直に答える。

「えっ!大変じゃないですか。すぐに、5月22日の2時に検査予約を入れますね。検査説明を隣で受けて、会計を済ませてください。僕のほうからも、早く出来るように言っておきます。」

桐生先生は、親切だ。
お礼を言って、診察室を出る。

隣の処置室で、検査の説明を、看護師さんから、ぱぱっと受けて、下で検査用の食事を買って、会計を済ませて、急いで田山病院に向かう。

車で、焦りながら向かう。ちょっとスピードオーバーだが、

{もし、今、私をスピード違反で捕まえたら、殺す!}と、物騒なことを思いながら、走り続ける。

やっと、田山病院に着いた。ちょうど5時10分前だ。
入口の方に走ると、お母さんが待ち構えている。

「お姉ちゃん、こっち、こっち。」と、緊急用の入口に誘導する。

「浅井先生が、どうしてもって聞かないのよ。なんか偏屈な先生なの。」
と、お母さんが、文句を言う。

「あっ、来られましたか。案内しますね。」と、看護師さんが、緊急用の処置室みたいなところを通って、ゆっくりと誘導してくれる。

その中の診察室に、中堅っぽい、確かに、ちょっと偏屈そうな医者がいる。

「すみません、遅くなりまして。」

「いえ、じゃあ、説明させていただきますね。」と、浅井先生は、早速、始める。

「一日の心電図の中に6回、心臓が止まっているところがあるんです。それも、ちょっとの時間じゃなくて。」と、私に心電図を見せる。

私は、心電図を素早く読む。

「確かに、止まっていますね。この二ヵ所は、ちょっと長すぎませんか?」
と、心配して聞く。

浅井先生は、何故か少し喜んで、
「そうなんです。あと、ほら、ここと、ここ。全部で、6ヶ所有ります。今までも、止まっていたことがあったと思われます。何か今までに気づいたことは、ありませんでしたか?」と聞く。

少し考えて、思い出す。

「そういえば、このゴールデンウィークに一緒にスーパーに行ったときに、お母さんが、化粧品を見てくると行って、なかなか戻ってこなかったので、心配して様子を見に行くと、しゃがんだまま、前に倒れて頭を打ったらしくて、どうしたのか聞くと、一瞬、意識を失ったみたいって言ってました。」

「それです!そのときも、心臓が止まっていたんですよ。」と、浅井先生が、確信して言う。

お母さんの顔を見ると、びっくりしたような顔をしている。

浅井先生は、続けて、
「そんなことが、度々起こっていたと思われます。運が、良かったんですよ。火を使っているときや、階段を降りているとき、それに、スクーターに乗っているときに、意識がなくなっていたら、それこそ大変なことになっていたんですよ。」と説明する。

私は、想像して、ゾッとする。

「それで、どうしたらいいんでしょう?」と、私は、先生に急いで聞く。

先生が、待ってましたと言わんばかりに、「心臓ペースメーカーを入れることを、お勧めします。」と、言う。

「心臓ペースメーカー!えっ!嫌よ。そんなの入れたくないわ!」とお母さんが、恐がって言う。

お母さんの様子を見て、私は、
「心臓ペースメーカーを入れなくても、いけますか?」と聞いてみる。

先生は、「スクーターも乗らず、家でじっと過ごすならね。スクーターは、もし、ペースメーカーを入れないなら医者として、禁止します。」と、淡々と言い、続けて、

「もし、もっと長い時間、心臓が止まることがあれば、脳梗塞で、半身不随になる可能性もあります。」と、意地悪く脅す。

お母さんが、「半身不随!」と、びっくりする。

先生が、「そうです。長嶋 茂雄みたいになってもいいんですか?」と、さらに脅す。

{長嶋 茂雄に失礼だろうが...}

「お姉ちゃん、どうしよう?」と、お母さんが、私に助けを求める。

「お母さん、スクーターを乗りたいの?それとも諦めて、家で大人しくしているの?どっちがいいの?」と、優しく聞いてみる。

お母さんが、「えっ。スクーターに乗って出掛けたい。買い物に行きたいし。」と答える。

「じゃあ、心臓ペースメーカーを入れないとダメよ。もし、スクーターを運転中に意識が無くなったら、お母さんは、大怪我するし、もし、歩道のほうに倒れて、子供をひいちゃったりしたらどうするの。」と、注意する。

「それは、ダメよ。絶対、ダメよ。」と、びっくりする。

「じゃあ、手術でいい?」と、最終確認する。

お母さんは、「え!手術。え~ちょっと恐いんだけど..」と、嫌がったけど、最終的に合意する。

「手術で、お願いします。」と、私は、先生に言い切る。

「分かりました。」と、先生は、嬉しそうに答えて、手術の説明を始める。

手術は、意外にも局所麻酔で行われる。心臓ペースメーカーは、心臓が止まりそうになると、心臓に衝撃を与えて止まらないようにするとのことで、8年くらいで、入れ替えなければならないとのことだ。

あと、心臓ペースメーカーの手術に、こだわりを持っている浅井先生は、手術に関するウンチクを延々と説明していたが、適当に受け流していた。

とりあえず入院は、来月早々になるとのことだ。
勿論、それまで、スクーターは、禁止だ。

あと、手術に必要な書類やら、高額医療の控除や、障害者申請による控除、その他入院に必要な手続きの関係の書類をもらって記入する。

こっちのほうが、手術のウンチクより、よっぽど大切だ。

今、出来ないものや、別途必要なものを揃える必要のあるものは、持って帰る。

{冷蔵庫とテレビは、勿論、必要だな。イヤホンは、勿論、新しいものを購入。おっ!入院の保証人が、三人いる。私と、おじいちゃんとあと一人か...弟の名前を勝手に書いとこう。こんな時ぐらい、たまには役に立ってもらってもいいだろう。}


一段落して、お母さんと家に向かう。


あと一つ、心配なことがある。

「お母さん、入院前に、九谷医院に行って、先生に、念のため、手術の相談と薬を余計にもらっておこう。」と、提案する。

こっちの病院の薬の副作用の可能性は無いか、一応、確認しておきたい。
いろいろ、他にも聞いておきたいこともある。


あっ!ミルだ。
ミルは、長い時間、お留守番したことが無いし、ご飯は、1日6回になっている。入院中、私が仕事の間、1人になってしまうのか...


心配は尽きない。





🐈続く🐈