ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ココの登場8~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝とココのこと】をクリックすると、ココの物語だけが、出ます。🐈






体力が落ちて、ぐったりしているココ

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今日は、日曜日。
おばあちゃん達が、来る日だ。

早めにお掃除と洗濯を済ませて、昨日、おばあちゃんの好きなフルーツパウンドケーキ買って置いたから、紅茶とコーヒーの用意もして。
あっ、そうだ。門も開けて、車を入れれるようにしとかなきゃ。

よし、準備OK。

「ミル。今日は、おばあちゃんとおじいちゃん来るけど、ちょっとだけ、お顔見せてあげてよね。」と、頼んでみる。

車の音がする。来た~!
駐車場に、車を誘導する。

「おばあちゃん、いらっしゃい。おじいちゃん、遠いのに、車運転して疲れたでしょう。さあ、家に入って、ゆっくりして。」と、大喜びで出迎える。

「輝ちゃん、大変やったな。仕事もして、お母さんの看病もして、ほんまに、ええ子や。」と、おばあちゃんが、褒めてくれて、私は、照れる。

「ほんまや。ほんまや。」と、おじいちゃんも、誉めてくれる。

有頂天になって、用意したパウンドケーキと、おじいちゃんに珈琲、おばあちゃんに紅茶をいれてあげる。

おばあちゃんもおじいちゃんも、大喜びで、食べてくれる。

「輝ちゃんは、おばあちゃんの好きもん、よう分かってるわ。そうや、お昼御飯と、お土産を持ってきたわ。」と、私にいっぱい手渡してくれる。

鯛めし弁当に、ちらし寿司、柿の葉寿司、サービスエリアの焼きたてのメロンパン、あんぱん、黒豆パン、あと、私の好きなお菓子がいっぱい。可愛いバッグまで。

「おばあちゃん、ありがとう。お昼食べてから、病院に行こう。疲れたでしょう。それまで、ゆっくりしてね。」と、枕代わりのクッションを2人に渡して、くつろいでもらう。

そこに、ミルが隣の部屋に、ほふく前進しながら、おそるおそる現れる。

{ミル!いつもは、二階に逃げて、姿を現さないのに。ちゃんと、私のお願い聞いてくれたんだ。}

「おばあちゃん、おじいちゃん、ミルよ。おっきくなったでしょう。」と、紹介する。

「ミーちゃん。こっちおいで。パン食べへんか?」と、おばあちゃんが、ミルに話しかける。

ミルは、ほふく前進で、ゆっくりと、部屋を出て、2階に逃げていった。

{ミル、よく頑張った!偉いぞ。あとで、いっぱい褒めてあげるからね。}

「おばあちゃん、ミルは、人見知りが、なかなか直らなくて、でも、ご挨拶だけしたかったみたい。」と、フォローする。

「そうか、そうか。頑張って、ミーちゃんは、挨拶してくれたんやな。」と、おばあちゃんとおじいちゃんが、顔を見合わせて笑う。

それから、テレビを見ながら、ゆっくりして、美味しいお昼ごはんを食べて、ちょっと、ゆっくりしてから、病院に向かう。

おばあちゃん達は、そのまま帰ると言うので、私の車でおじいちゃんの車を先導しながら、病院に着いた。

病室に入ると、お昼ごはんを食べ終えたお母さんが、待っていた。

「美紀恵ちゃん、どないやの?調子は?痛いとこは、ないか?」と、おばあちゃんが、心配して、お母さんに聞く。

「心臓ペースメーカー入れた所が痛いわ。きつく巻かれてるし。」と、お母さんが、文句を言う。

みんなで、談話室に移動して、話をする。

「美紀恵ちゃん、その機械は、いつ取れるんや?」と、おばあちゃんが聞く。

「ずっと、入れたままよ。8年位したら、また手術して、新しいのに入れ替えやなあかんのよ。」と、お母さんが、何故か威張って答える。

「ずっと...入れ替え...」と、おばあちゃんとおじいちゃんが、びっくりして、顔を見合わせる。

「最近は、機械も進んで、いいのになってるから、大丈夫よ。」と、私が、安心させるように言う。

しばらく、みんなで、楽しく話していたら、おばあちゃんが、
「そうや、美紀恵ちゃん。これ、お見舞いや。大切に使い。」と、お母さんに、お見舞金を渡す。

「えっ、こんなに!」と、お母さんが、遠慮する。

「ええから!大切に使いなさい。」と、おばあちゃんが、お母さんに微笑む。

お母さんが、お礼を言って、私に手渡して、「お姉ちゃん、これ、お姉ちゃんが、管理して。」と頼む。

私は、受け取って、おばあちゃんに、
「おばあちゃん、ありがとう。次の手術のときまで、大切に置いとくね。」と、約束する。

みんなで、自動販売機で買った飲み物を飲みながら、いろんなことを話して、ゆっくりと過ごす。

安心したおじいちゃんとおばあちゃんは、3時くらいに、帰って行った。

私も、「じゃあ、また明日、会社帰りに来るね。」と、洗濯物を袋に入れて、安心して家に帰った。

帰ってから、よく頑張ったミルに、
「偉いね。よく頑張ったね。いい子ね。」と、褒めて、おとっときのカリカリをあげる。

ミルは、嬉しそうに、「ミャア」と鳴いて、いっぱい頬張る。

しばらく用事をして、家のたまったゴミを、裏のゴミ箱に入れて来ようと、玄関から出て、裏に向かう。

カタッとゴミ箱から急いで、横の駐車場の私の車の下の方に逃げていく気配がする。

{そういえば、野良猫が、裏のゴミ箱を漁っているけど、最近は、来なくなっちゃったのよって、お母さんが、心配して言ってたっけ。}

{どんな猫なんだろう?ちょっとだけ、姿をみよう。}と、車の下の方を見る。

車の下の猫と、目が合う。

エメラルドグリーンのアーモンド形の目だ。

エメラルドグリーンのアーモンドアイ?

なんか懐かしい響きだな...


しまった!まずいことになった!

その猫は、目が合うや否や、一目散に、私のほうに駆け寄ってくる。

{やっと見つけた!}と、言わんばかりに、私の足にスリスリする。

困ったことになった。
何故、姿を見ようなんて思ってしまったんだろう。



🐈続く🐈