ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の会社の社長4

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の4番目の会社のこて】をクリックすると、4番目の会社の話だけが、出ます。


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会社の慰安旅行の香港旅行で、社長の奥さまの優しさに感動し、料理も堪能したし、香港ディズニーにも行き、泊まったホテルは、五つ星で部屋は素敵だし、朝食も豪華なブッフェだしで、かなり堪能したのだが、この旅行は、実は、大変なものだった。

また、いつか、この旅行の詳しいことは、別の物語で書くが...


三泊四日の、この香港旅行の計画は、今回、私が、いろいろ詳細に作っていた。

電車を利用して、あちこち行けるので
、フルに行くぞ!そして、いっぱい有名な店で、美味しいものを堪能するぞ!お土産も買わなきゃだしね!と、張り切って計画していたのだ。

香港の有名なパワースポットの黄大仙のお寺も計画に入れていた。

どうしても、願いを叶えてほしかったので、張り切って、遊びに行ける最終日の朝から、電車で向かっていた。

その頃、おばあちゃんに大動脈瘤が見つかっていたのだ。

動脈瘤が、破裂すると、大出血して、病院にも間に合わないから、手術で摘出しないといけないのだが、おばあちゃんは、高齢で血管が固くて、血管を傷付けるリスクが高くて、手術出来なかった。

それで、‘’どうしても助けて欲しい。家族みんなが、楽しくいられますように!'' と、お願いしたかったのだ。

お寺に入る前に、長い線香を売っているおばあさんがいたので、おばあさんから線香を買い、お寺を目指した。

途中、他のパワースポットもあったが、他の2人がお祈りしてるなか、私は、待っていた。

願いは、1つだけなのだ。
他は、必要ないのだ。

2人のお願いが、終わって、メインの方へ行こうと、長い階段を上って行っていた。

途中、賽銭入れがあり、私が、

「この金額で、いいかな?ちょっと少ないかな?」と心配して尋ねていると、

四国営業所の野中さんが、
「一番安い香港硬貨で、十分よ。そんなに、出すことないわよ。」と答えた。

「でも、すごいパワースポットの有名なお寺だし、失礼になったら悪いし。願いを叶えて欲しいし。」
と、私は、結局、お札を入れた。

お願いする所に上がる前に、線香に火を付ける所があった。

私も、線香に火をつけようとしたのだが、人が多過ぎて、割り込むことも出来ず、あっち行ったり、こっち行ったり、右往左往していた。

かなり、2人を待たせて、やっと線香に火をつけて、最後の階段をみんなで上がって、願いを言う所に来た。

{やっと来た!家族みんなの健康と幸せをお願いしなくちゃ!}

一目散に、必死に、線香を立てて、お辞儀をして、願い事をした。

{ああ、やっと、お願い出来た。}

と、一安心して、2人の所に戻ると
、四国営業所の野中さんと、東京支店の竹中ちゃんの2人が、何やら騒いでいる。

「どうしたの?」と、私が心配して、尋ねると、

「財布がないの!」と、真っ青になって、野中さんが言う。

「え~!どこかに落としたんじゃない?探しに行こう。」と、私が言うと、

「ううん。財布を手に持ってたから、多分、すられたんだと思う。」と、野中さんが、小さい声で言う。


「とりあえず、賽銭あげるから、これで、お願いしといでよ。」と、竹中ちゃんが、野中さんに、お札一枚を渡して、促す。

野中さんは、言われるまま、火のついた線香とお札を持って、お願いをしに行く。


その間に「どうする?」と、
竹中ちゃんが、私に尋ねるので、

「警察に電話といっても、言葉通じないしね。旅行会社の添乗員に電話したほうが、いいね。ホテルの番号、分かる?」と、聞くと、

「会社の旅行冊子に載ってたね。あった、これだわ。」と、竹中ちゃんが、私に見せている所に、野中さんが、戻って来る。

「野中さん、財布の中身は、現金だけだよね?」と、聞いてみると、

「ううん、現金と運転免許証と健康保険証と、クレジットカード。」

私と竹中ちゃんは、顔を見合わせて、絶句する。

{何故、そんなものを持ち歩いているのか?貴重品は、ホテルの部屋の貴重品入れにロックして置いてきて、必要な現金だけを持ち歩くものでは、ないのか?}

「クレジット会社の連絡先は、分かる?とりあえず、止めないと。」と、私が慌てて尋ねると、

「分からないわ。」と、
野中さんが、途方にくれて答える。

{全部の現金をすられるなら、賽銭をケチらなくても良かったんじゃ...ていうか、まさか、罰が当たったんじゃないよね..恐るべし、パワースポット...}

と、私は、改めてパワースポットの威力を思い知る。


「とりあえず、竹中ちゃん、ホテルに電話して現地スタッフを呼び出して」

「あいよ!」と、竹中ちゃんは、電話してくれる。

現地スタッフに取り次いでもらって、
竹中ちゃんが、事情を説明する。

「ホテルで、クレジットカード止める段取りして、待ってるから急いで戻ってきてって。」と竹中ちゃんが、私達に説明してくれる。

「じゃあ、急いで電車で戻ろう!電車のほうが、ホテルまで、近いわ!さあ、走って!」と、
私は、2人を急がせる。

ホテルの最寄りの駅に着いて、

「走ってホテルに先に行って、説明してるから、2人は、後からゆっくり来て!」と、私は、2人を置いて、走っていく。

私は、マラソンが早い。
代表選手になったこともある。


ホテルのロビーに着くと、現地スタッフ3人が待ち構えてくれていた。

「本人ですか?」と、尋ねられ、

「違います、後から来ます。」と、答えて、詳しいことを説明する。

香港人のスタッフが、
「黄大仙ですか?団体客が、来ていませんでしたか?」と、尋ねるので、

「来ていました。香港とか中国の団体客が、いっぱい来ていました。」と、答えると、

「ああ、やっぱり。団体客に混じってスリがいるんですよ。」と、教えてくれる。

そこに、息を切らせて、竹中ちゃんがやってきて、
「はなちゃん、早すぎるよ。」と言う。

「野中さんは?2人で、ゆっくり来たら良かったのに。」と私が言うと、

「しんどいから、先に行ってって。もうすぐ来ると思う。」と答える。

しばらくして、息も絶え絶えに、野中さんが、フラフラ走りながらやってくる。

私達がいるツアーディスクの手前の小階段に蹴躓いて、思いっきり、バターンと転ぶ。

「野中さん、大丈夫?」と、みんな心配して駆け寄ると、

「痛い、痛い!」と、右腕を押さえて、うずくまっている。

右腕を見ると、青にえている。






🐈続く🐈