ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の会社の社長7

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の4番目の会社のこと】をクリックすると、4番目の会社の話しだけが、見れます。🐈



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いったん、お土産を置きに部屋に、それぞれ戻って、パーティー用の服に着替えて、私達の部屋に集まってから、パーティー会場に行くことにして、いったん別れた。

部屋に戻って、お土産を整理して、スーツケースに入れながら、

私は、「竹中ちゃん、ものすごい量のお土産だね。」と、びっくりしながら言う。

「いろいろ頼まれてるのよ。まだ、買わなきゃ。はなちゃんは、タイガーバーム三個だけ?」と聞かれて、

「あとのお菓子類は、また買う。タイガーバームは、匂うから三個だけね。」と、笑って答える。

2人で、着替えていると、

「はなちゃん、その服、前に大阪で2人で、遊びに行ったときに着てたやつでしょ?相変わらず、似合ってるわね。」と、笑って言う。

「えへへ。持ってる服だけで来たの。竹中ちゃんは、買った服?エレガントだね。」と、笑顔で答える。

ドアをノックする音がして、開けると、着替えてきた野中さんがいる。

「あら、花田さん、ワンピースね。可愛い。竹中さんは、エレガントね。私も、新調したのよ。フワフワのレースの白のブラウスなの。」と、楽しそうに言う。

「うん、すごく上品。似合ってるよ。」と、私は、笑顔で部屋に招き入れる。

{私は、新調してないんだけどね。でも、野中さん、楽しそうだし、右腕、大丈夫なのかな?やっぱり、私の気のせいだったのかな。}

3人で、上機嫌で例のパーティーに行った。

私は、円卓の席順を見て、一気に不機嫌になるが..

{何故、張り切って服を新調している人達を、社長夫婦の円卓に置かないのか。しかし、まあ、隣の男の人も、スナフキンみたいな格好してるから、まあ、いっか。}

スナフキンの話しもしたいし、いろんな人の話しもしたいのだが、また、別の物語で。



パーティーが、滞りなく終わって、竹中ちゃんの席の方に行って

「やっと終わったね。野中さんは?」と、聞くと、

「はなちゃん、社長とこの席に座って、私の方に向かって{なんで~?}って顔をしたとき、吹き出しそうになったわ。」と、竹中ちゃんが、楽しそうに笑いながら言う。

2人で野中さんを探して、キョロキョロしていると、野中さんが小走りで、やってきて、

「あのね、松尾さんが、これから香港の夜景を、みんなで見に行かないかって。」と、顔を紅潮させながら、嬉しそうに言う。

{あ~、営業連中のお誘いか。面倒くさいな..それに、やっぱり、どうしても野中さんの右腕が、気になるんだよな..残りのお土産も見に行きたいし。}

「あ~、私は、ちょっと疲れたみたいだから、良かったら、2人で行ってきて。」と、笑顔で答える。

すると、竹中ちゃんが、
「あ、私も遠慮しとく。気にしないで、野中さん、楽しんできて。」と、素早く答えて、

そのまま、野中さんを置いて、2人で、会場を出た。

「竹中ちゃん、いいの?」と、
私が、心配して聞くと、

「いいの。私は、はなちゃんが、一番大事なんだから。それより、残りのお土産でも、見に行こうよ。」と、笑顔で言ってくれる。

そのまま、2人でお土産を見に行ってから、部屋に戻った。

お風呂に入って、荷物を整理しながら

「明日は、もう帰るだけだね。」と、 私が、言うと、

「野中さん、あんなに怪我のこと言わないでって、必死に言って。よっぽど、忘れたいんだろうね。何もなかったことに、したいんだろうね。」と、竹中ちゃんが、心配そうな顔をして、言う。

「うん。まあ、私達が黙ってたら、そんなに知ってる人もいないしね。」と、うわのそらで答える。

{ただ、どうしても右腕が気になる}


次の日は、空港までは、関西と関東で違うバスになる。

私と野中さんは、一緒の飛行機なので、関空まで一緒だ。

空港までのバスを待っていると、

「ねえ?昨日のパーティーの席で、ずっと、横にいてた男の人は、誰?」と、突然、黒田さんに聞かれる。

黒田さんは、社長の奥様の妹で、エンジニア部門で、働いている。

「男の人?」と、私がキョトンとして聞くと、

「ほら、野球帽を被ったTシャツを着た男の人よ。ずっと、あなたの横にいたじゃない。」と、続けて言う。

{野球帽?誰だ?}

分からずに、キョトンとして、野中さんの方をみると、野中さんも、首を横に振っている。

「えと、誰もいなかったよ。」と、優しく答えると、

「うそ!いたじゃない。」と続ける黒田さんを、社長室の織田さんが、

「やめなさいよ。」と、止めてくれる。

私は、あまり、見えたり聞こえたりは、出来ない。感じるだけだ。
それも、必要なときだけだ。

でも、何も感じなかったのだから、多分、私には、害のない人なのだろう。
ただ、なんで、あんなに黒田さんが、必死になっているのか、さっぱり分からない。


バスが来たので、乗り込もうと並んでいると、川合さんと川合さんの同僚らしき女の人が、急いで野中さんと私に、駆け寄ってくる。

川合さんが、「腕は、どうですか?」と、心配して聞くので、野中さんが、ブラウスの袖をめくって、右腕を私達に見せる。


{これは...腕が、広く青黒くなっている。これは、普通じゃない。中で出血しているか、骨折に違いない。}

「ああ!酷くなってますね。」と、川合さんと同僚の人が、かなり心配する。

バスの列が進んだので、2人に、お礼を言って、バスに乗り込む。

バスの席に並んで座ってから、
「ねえ。帰ったら、ちゃんと、近所の整形外科に診てもらったほうが、いいよ。ね?絶対、診てもらってね。」と、私は、野中さんに念を押す。

野中さんは、「うん、そうする。」と、小さい声で答える。

気を取り直して、
「昨日は、夜景きれいだった?」と、笑顔で聞く。

「ううん、やっぱり、行くのやめたの。部屋に戻ってから、同室の石田さんと、近くに一緒に出掛けたの。石田さんに、花田さんが、タイガーバームを買ってたって言ったら、石田さんも買ってたよ。」と、笑って答える。

空港に着いて、しばらく時間があったので、最終のお土産を買って、搭乗ゲートに急いだ。

搭乗ゲートは、混んでいて、たくさんの香港人や中国人の団体が、並んで、大きい声で話し合っている。

その間に並んで、待っていたのだが、野中さんが、急に、
「うるさい!うるさい!外国なんか嫌い!」と、大声で叫んだ。

我慢の糸が切れたのだろう。
腕も相当、痛いに違いない。

幸い、周りの人は、大声で話しているので、気付いていない。

「今度は、国内の旅行だといいね。」と、なだめる。

そのまま、飛行機に乗り込んだ。

あとは、日本に帰るだけだ。



🐈続く🐈