ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ミルVSココ2~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝とミルのこと】【輝とココのこと】をそれぞれクリックすると、ミルの話しとココの話しだけが、見れます。🐈


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しばらく、ココは、ずっと控え目で、ミルのすることを、部屋の隅で、よく観察していた。

冷蔵庫の前に、ココ専用の可愛いマットを敷いて、その上に白いトレーを置き、ココ専用のご飯を入れるピンクの容器を置いた。

ココは、ここに座れば、ご飯が、もらえると学習したようで、ご飯が欲しいときに、冷蔵庫の前のマットに、ちょこんと座って待つようになった。

座っていれば、すぐにカリカリを入れてあげる。

{おかわり}っていう顔で見上げれば、カリカリを追加してあげる。
ココは、何回も{おかわり}をする。
見上げる顔は、嬉しそうで、本当にかわいい。

ココは、野良の時代、ひもじい思いをしていたようなので、ご飯は、満足するまであげる。
ココは、ミルと違って、吐くまで食べたりしない。
きちんと、自分で、量を調整出来る。

ココは、辛抱強いので、気付かれるまで、冷蔵庫の前のマットに、じっと座っている。
すぐに、気付いてあげれば、いいのだか、たまに、すぐに気付かない場合もあるので、鳴いて知らせて欲しいなと思うほどだ。

ココは、よく、私の手を舐めてくれる。
ココを撫でている間、ずっと、私の
手を舐める。

猫の舌は、ザラザラするものだけれど、ココの舌は、酷かった。
今では、滑らかな舌になったが、来た頃は、剣山のような舌だった。
剣山のような舌で、舐められる度に、

{この子は、本当に食べものに苦労していたんだな。生きるために、何でも食べていたのだろう。すっかり、胃腸が、悪くなってしまって。こんなになるまで、舌が荒れてしまって...}
と、不憫に思えてしかたなかった。

ミルは、台所の和室の入り口の前に、ミル専用のマットを敷いて、ミル専用のご飯用の白い容器を置いていたが、
ミルは、私が、2人のご飯の用意を台所のテーブルの上でしていると、決まって、テーブルの上に飛び乗ってきて、そのまま、テーブルの上で食べてしまう。

その様子をココが、いつも見ていたので、ミルの悪い真似をしないかと心配していたが、じっと、自分のマットの上で、座って待っている。

よほど、厳しく、しつけられていたことが、あるようだ。
たまに、撫でてあげようと、正面からココの頭の上に手を持っていくと、ビクッと怯える。
どうやら、頭を叩いて、しつけていた人が、いたようだ。

「ココ。ちょっとくらい悪さしても、怒らないよ。ミルなんて、悪さ、し放題でしょう。大丈夫よ、安心して。」と、何度も優しく言うのだが、ココは、かしこまったままだった。

しばらくして、落ち着いてきたココは、ミルの真似をするようになった。

ミルは、ジャンプが得意なので、戸棚や本箱に軽々飛び乗る。

ココは、ジャンプが苦手だ。
どうも、足腰が、ミルみたいに強くない。

でも、頑張って、ジャンプしてチェイサーに飛び乗り、さらに丸い地球儀に飛び乗ろうとした。

「ココ!危ない!」

地球儀に飛び乗って、バランスを崩して落ちそうになるココを、なんとか、支えて抱っこする。

「ココ。ミルの真似なんかする必要はないの。ココは、ココでいいのよ。」と、優しく諭す。

ココは、{ミルの真似をすれば、いいのかな?}と一生懸命、ミルを観察して真似しようと思っているようだった。

次に、ココは、ミルのくつろぐ場所を1つずつ、取って行こうと考えたらしい。

ココは、野良猫の社会のルールを基に考えて、行動しているようだ。
一年近く、野良猫社会でいたから、それが、当たり前になっているのだろう。

場所を奪えば、そこが、自分のものになる。奪う場所を広げれば、テリトリーが広がる。
そうすれば、自分は、出ていかなくてすむ。
テリトリー、即ち、縄張りには、一人だけが、生き残る。
家に入れてもらったからには、何としても、死守したい。
これが、ココの考えのようだ。

完璧な野良猫社会のルールだ。

いつもの和室の座布団に寛いでいたミルに、頭を低くして、低空姿勢で、
{そこをどけ!}と攻撃し始める。

ミルは、軽く、ココを叩くが、ココは、しつこく、場所を取るまで、低空姿勢で攻撃する。

ミルが、じりじりと、座布団から逃げ出して、ココが、追いかけて、ミルを追い払う。

そして、その座布団に座って、安心する。{1つ、場所を取れた。}と。

ミルは、面倒くさがり屋なので、すぐに、場所を譲って、違う場所でくつろいでしまう。

ココは、次から次に、ミルのくつろぐ場所を、同じ方法で奪っていく。

その様子を見て、
{なるほど!ココは、低空姿勢の攻撃ばかりを執拗に、外でしていたのか。だから、家に入る前、見る度に、額のあたりに、傷が増えていってたんだな。う~ん、頭からの攻撃は、危険だし、勝算が少なそうだ。}と、
変に、私は、納得する。

ココは、ミルの場所を着実に奪っていった。
ただ、ココには、可哀想だが、ミルに野良猫のルールは、通用しない。
というか、猫のルールが、分からない。
猫のルールどころか、猫の言葉も理解しているのか怪しい。

ミルは、窓から、いつも、鳥と長々と一緒に鳴いている。
小さい頃から、鳥と仲良しみたいで、鳥と一緒に長々と鳴いている。
多分、ミルは、鳥と話しているのだろう。
鳥も、よく、ミルと長々と付き合って、鳴いてくれるものだ。
ミルは、猫語より、鳥語のほうが、詳しいのかも知れない。

ミルは、ココが、場所を取ったら、空いている場所に行けばいいと思っているので、違う場所でくつろぐ。

ココにしたら、取っても取っても、意味がない。
取っても取っても、また、ミルが、平然と座るからだ。


2階の私の部屋の窓際にある、小さいタンスの上の座布団は、ミルの一番のお気に入りの場所だ。
座布団に座って、窓から鳥と話が出来るし、夜は、よく、そこで眠る。
寒いときは、そのまま、私の布団に来て、一緒に眠れるからだ。


ついに、ココは、この場所も、取ろうとした。


🐈続く🐈