ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ミルVSココ4~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝とミルのこと】【輝とココのこと】を、それぞれクリックすると、ミルの話し、ココの話しだけが、見れます。🐈



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ココは、ミルの場所を取り、ミルを部屋から追い出すのに、必死だった。

{何としても、この家から追い出されたくない。生き残るのは、私だ。}と、一生懸命のようだった。

ミルは、好奇心が旺盛で、他に注意を引くものを見つけたら、すぐに、飛んでいってしまう。
何事にも、こだわりがなく、天真爛漫だ。

それが、余計に、ココを羨ましくさせてしまう。

ココが、ミルの場所を取ると、ミルは、他のお気に入りの場所や、新しく見つけた場所に移動する。
あまり、気にしない。

どうしても、譲りたくないときや、少し、機嫌が悪いとき、特に眠たいときは、バトルする。
もちろん、低空姿勢のココが、すぐ負ける。

ココは、学習したようで、ひっくり返って、前足、後ろ足を上に上げて、降参のポーズをする。
すると、ミルは、上から見下ろして、
{分かったな。気をつけるように!}と、一睨みして、去ってくれる。

ココは、ミルの優しさに甘えて、何度も、同じことを繰り返す。

そんなことが、当分、続いた。

ミルは、気にしていないようでも、やはり、少し、淋しかったようだ。
私が、ミルと遊んだり、ミルを甘やかしてあげる時間が、減ったからだ。

ミルは、私のお風呂上がりに、お風呂の前の洗面台のある小部屋のドアに待機するようになった。

私がお風呂から出て、洗面台の前のマットの上で、体を拭いて着替えていると、
{開けて!開けて!}と、扉を前足2本を使って、バンバンたたく。

扉を開けてあげると、急いで入ってきて、洗面台の前のマットに寝転んで、
{撫でて。}と、甘え始める。

私は、ココに気付かれないように、扉を少し閉めて、ミルをいっぱい、撫でてあげる。

ミルは、嬉しそうにコロコロ、マットの上で、転がる。

「ミル、偉いね。いつも、ココに場所を譲ってあげて。ありがとうね。賢いね。」と言いながら、さらに撫でる。

ミルは、嬉しそうに、{もっと、撫でて。}という顔をする。

私は、さらに撫でながら、
「ミル、私の可愛い娘♪可愛い、可愛い娘♪」と、歌ってあげる。

ミルは、嬉しそうにゴロゴロ、喉を鳴らして、楽しそうな顔をする。

ミルが、満足するまで、撫でてあげる。
ミルは、満足すると、扉から、そっと出ていく。

ある日の朝、会社に行く前に、2階の自分の部屋に上がると、テーブルに、ミルのお気に入りのオモチャが、置かれていた。

棒にヒモがついていて、ヒモの先にネズミのオモチャが付いているものだ。
ミルは、小さい頃から、このオモチャで遊ぶのが、好きだった。

このオモチャは、いつも一階にあるので、ミルが持ってきて、ここに置いたのだ。

ミルの訴えだ。

{あぁ、ミル....}
私は、胸が痛くなる。

{ミル...よっぽど我慢してたのね。ココと同じ年なんだから、私と一緒に遊びたいし、甘えたいのは、当たり前だ。わがままもしたいだろうし...}

私は、何とも言えない気持ちになる。
{これからは、もっと、ミルをかまってあげられるように気を付けないと。
ああ、私は、不器用だから、上手に、2人に愛情を注げていないのかも。}

かなり、反省して、自己嫌悪に陥る。

それからも、ミルのことを、もっとかまってあげようと注意するのだが、
ココの{やめて、どいて。}攻撃は、おさまらず、
{なかなか2人を育てるのは、難しいなあ。世のお母さんがたは、兄弟姉妹をどのように扱っているのだろう?}と、試行錯誤しながら、四苦八苦する状態が続いた。


ミルのお気に入りの、私の部屋の座布団の寝場所は、主に、ココが、夜に眠るようになった。

ミルは、空いていたら、座布団で眠るし、空いていなかったら、私の布団の上や、布団の横のテーブルの下で、私を見ながら眠るようになった。

眠っていると、夜中の2時くらいに、決まって、ココは、大声を上げて、座布団の上で、飛び起きる。
目覚めて、しばらく、パニックに陥る。

しばらくして、布団にいる私を見つけて、慌てて、鳴きながら布団に降りてきて、私の傍にくる。

私は、「大丈夫。大丈夫よ。ほら、私が、いるでしょう?もう、大丈夫なのよ。安心して。」と、言いながら、ココが落ち着くまで、ずっと撫でてあげる。

しばらくして、安心したココは、また、座布団の方に上がって、眠り始める。

どうも、ココは、寝込んでいるところを、箱か何かに入れられたまま、夜に、そっと、捨てられたようだ。
目覚めたとき、真っ暗で、全然知らない場所で、一人でいたのだろう。

よほど、怖いことだったに違いない。

夜中にパニックになって、飛び起きることは、二年以上続いたし、箱やカゴに入れられるのを恐れて警戒することは、3年は続いた。


ココは、気管が弱いらしく、少し寒くなると、むせて、咳き込む。

夜中になることが多く、座布団から、飛び降りてきて、{助けて}と、私のところに急いで来る。

私は、背中を軽くポンポン叩きながら、気管に入った唾か何かが出るのを助ける。

しばらく、ポンポンすると、何か気管から出て、咳き込むのが終わる。

この咳き込みも、3年以上続いた。

ミルも、ココのこんな様子を、ずっと見ていたので、優しく接してくれていたのかも知れない。

ココが、完全に落ち着いたのは、3年を過ぎる頃だ。

4年目になって、ココは、飛び降きることも、むせることも無くなった。

寝床も、座布団の他、押し入れや、隣の部屋や、一階のお母さんの布団の上等、その日の気分や状態で、いろいろ変えるようになった。

足腰も強くなり、高いところにも軽々、ジャンプ出来るようになった。

ミルには甘えて、わがままを言うのは相変わらずだが、ミルがいないと探すし、ミルが困っていると助ける。
2人で、楽しく、追いかけっこをして、楽しむようにもなった。

ミルもココが、いないと探すし、なんやかんやで、困った妹のように思っているようだ。


ミルも、ココも、それぞれ楽しんで、2人で暮らしてくれているようだ。