ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の研究のお仕事8

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しています。【輝の1番目の会社のこと】【輝とミュウのこと】【日向とミュウ】をそれぞれクリックすると、1番目の会社の話し、ミュウの話しだけが、見れます。🐈

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正面から見て左 :ライサーことライちゃん ♀ 右:シルバーことシルちゃん♂

なかなか、残り一匹の貰い手が見つからない。段々、焦ってくる。

その間にも、子猫達は成長し、それぞれの性格が、はっきりしてくる。

アピール上手なシーザー。好奇心旺盛で知的な子だ。
ソファーで本を読んでいると、すぐに胸に乗ってきて、一緒に本を見ている。

賢くて利口なミケ。可愛らしく、一度教えたことをすぐに理解する。
更に、他の子猫達にも、それを教えてくれる。面倒見のいい、優しい子だ。

甘えん坊でおっとりしているシルバー。食べるのも1番遅く、乳離れも1番遅かった。
離乳食になかなか移れず、ミュウのお乳を最後まで吸っていた。

私が、朝ごはんで目玉焼きを食べているとき、シルバーが横に来たので、半熟になっている黄身を指で口元に持っていったら、すごい勢いで舐め出した。

「フニャ♪ニャニャニャ♪ニャニャア♪」と鳴きながら。
{初めて、こんな美味しいもの食べた🎶}と言わんばかりに。

結局、私の目玉焼きの黄身を、全部平らげた。
これが、シルバーの離乳食の始まりで、乳離れした瞬間だった。

ライサーは、控え目で、お気に入りの場所でも甘えるのも他の子達に遠慮して、譲ってしまう。
甘えベタで、なかなか甘えに来れない。
モタモタしてる間に、ご飯も1番最後になってしまう。
優しくて器量良しな、いい子だ。

ライサーは、お鼻が赤いのを気にしていた。
お母さんが「あかばな、あなばな。」と、からかって言うからだ。
お母さんは、「この子は、抱っこも嫌いなのよ。」とも言うが、

{いや、他の子に先を越されて、抱っこに来れないだけですから...}

かわいそうに、ライちゃんは、寝ているときも前足でお鼻を隠すようになってしまった。

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成長するにつれ、どの子も、だんだん情がわいてきて、手放すのが辛くなってきた。

けれども、大学で約束した日が近づいて、前々日に連れていく2匹を、私が決めた。

ミケとシーザーだ。

シーザーは、大学の後輩の男の子に。
彼は、シーザーを気に入るだろうと確信していたからだ。

ミケは、中国の留学生の方に。
ミケなら、中国の大使館に行っても、その賢さからやっていけると思ったからだ。

私は、日帰りで大学のほうに2匹を連れていった。
後輩の男の子は、駅までシーザーを迎えに来てくれていた。

「わあ、かわいい。俺、大切にしますね。」と満面の笑顔で、嬉しそうに連れていった。

大学のほうに行って、郭さんの家に行った。
郭さん一家は、お昼ごはんを作ってくれていた。
本場の中華料理だ。

だけど、別れが辛くて、あまり、味が分からなかったし、あまり、食が進まなかった。

郭さん一家は、「三毛猫をいただけるなんて!大切にしますね。子供達の成長にもいいですし。」と、大喜びしてくれた。

どちらにも感謝を伝えたが、これから先、私は2匹に関わることが出来ない現実から、悲しさでいっぱいになってしまった。

私自身も、ミュウをもらったときに、前の飼い主さんは、私に何も干渉せずに、ミュウを丸ごと私に託したからだ。

今になって、ミュウの前の飼い主さんの思いが、よく分かる。

2匹との別れが辛くて、私は、早々に家に舞い戻った。

「ただいま....」と、家の玄関を開けると、お父さんが、出迎えてくれた。

「あれ?お母さんは?」と聞くと、
かなり、落ち込んでいるとのことだった。

「お母さんは、ずっと泣いてるよ。」
とお父さんが言うので、お母さんの様子を見に行くと、目を真っ赤にしたお母さんが、しょんぼり座っていた。

どうも、お母さんは、ミケは、家に残ると思っていたらしく、ミケが連れていかれて、ショックだったようだ。

「だって、ミケは残ると思っていたから。ミケが、行くなんて。」と、
また、泣き出してしまった。

お母さんは、ミケを1番可愛がっていたようだ。

「ライサーとシルバーは、少し、心配な所があるから...」と、
私は、お母さんに申し訳なく思いながら、呟いた。

ミュウは、どうかというと、ミュウは、全く気にしていない。
ミュウは、当たり前だと思っている。

ミュウは、生後1ヶ月くらいで、ペットショップで、<ただ>と書かれたペラペラの紙を張られた鳥かごに入れられていたから、乳離れしたら、みんなそうするものだと思っているのだ。

※詳しくは【ふてくされた子猫との出会い1、2】をお読みください。


ミュウは、乳離れがすむと、スイッチが変わったみたいに、{はい、子育て終了~!}と、何もしなくなった。

自分が、そうだったから、当然のように、早く鳥かごに行きなさいよって思っているのだろう。

甘える子猫に、
{早く出ていきなさい。}と冷たくする。

ミュウには、それが当たり前だから仕方ないが、何も分からない子猫達は、戸惑うばかりだった。

そんな状況の中、残ったシルバーとライサーの貰い手探しを必至に続ける。

大学関係、友人、知人、頭に浮かぶ人みんなに頼んでみたが、ダメだった。

ある日の朝、何気なく新聞を見ていると、一枚のチラシを見つけた。

近くのホームセンタ―で、譲渡会を行うとのことだった。
その日の朝、譲渡したい猫を連れて行ってエントリーすれば、その日来た人が気に入れば、譲渡出来るというシステムだった。

これだ!と思った私は、チラシに載っていた日に、ホームセンターにライサーとシルバーを連れて行くことにした。

その日は、日曜日で、お母さんとお父さんも心配だから一緒に行くと言うので、みんなで行った。

ミュウは、嬉しそうに、私達を見送った。
多分、ミュウは、
{やれやれ、やっと行くのね。全く、ズルばっかりしてるんだから。}と、2匹のことを思っているのだろう。

会場に着いて、2匹のエントリーを受付で済ますと、ライサーとシルバーは、サークルの中に連れていかれた。




🐈続く🐈