ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の猫~ココの登場4~

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝とココのこと】をクリックすると、ココの物語だけが、出ます。🐈






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今日は、5月22日の金曜日、私の大腸の内視鏡検査の日だ。

昨日のお昼と晩ご飯は、検査用の食事をとり、それ以来、食べ物を口にしていない。

台所のテーブルの上に置いた1800mLの腸管洗浄剤のポリ容器を目の前にして、ハ~とタメ息が出る。

これから、この液体をコップ一杯ずつ飲み、トイレに行って、の繰り返しをしなければ、いけないのだ。

はっきり言って、苦痛だ。

液体は、美味しくないし、苦しいし、地獄だ。あ~、助けて~。辞めたい。

しかし、やらねばなるまい。

意を決して、始めるぞ。いざ!

不味い...

ミルが、遊んで~と、まとわりつく。

{ミルよ、すまぬ。今、私は、おまえと遊んでいるゆとりはないのだ。}と、トイレに駆け込む。

「だから!ミル、一緒にトイレに入っちゃダメなんだったら!ほら、早く出て!だから、奥にいっちゃダメ!」


様々な邪魔も入り、結構な時間をかけて、やっと終わらせたころには、ヘロヘロになっていた。
前回より、なんか倍疲れたな...

しかも、腹が減って、死にそうだ。

検査が、終わった暁には、好きなものを、たんまり食べてやる~。

検査が2時なので、ヘロヘロしながら、12時に家を出た。

病院に着いて、消化器内科で、受付を済ませ、次いで、5階の内視鏡検査の受付も済ませ、待合室で検査を待つ。

検査の人、結構多いし、みんな、付き添いがいる。
多分、みんな麻酔有りの検査にしたんだろうな。なんか、いいな。

{私は、車を運転して、すぐに帰りたいから、麻酔なしなんだけど、結構、お腹が張って、痛いんだよな。下手な医者は、余計に痛いし。}と、ちょっと淋しく感じながら、待合室で、テレビを見ていたら、電話のマナーモードが鳴る。

お母さんからだ!
{何故、いつも、このタイミングに。ぜったい、今日は、このまま検査する!また、あの作業をするのは、ごめんこうむる。}と、うんざりしながら、携帯のエリアに移動して、電話に出る。

「はい!どうなさいました。」
半分、やけくそだ。

「あっ、お姉ちゃん。病院から、電話があってね、急遽、明日から入院して欲しいって言うのよ。で、明日、先生が説明しますって。明日の10時までに入ってくれたらいいからって。」

{なんと!そんな急に。浅井先生は、常識のない先生のようだ。でも、まあ、今日じゃないんだったら、いっか。}

「あ、お母さん。それでいいから、進めていいよ。帰りにセリアに寄って、足りないもの、買って帰るからね。
市役所の書類は、出来てる?そう、大丈夫ね。じゃあ。」と、優しく言う。

お母さんは、「分かった。」と言って、安心して電話を切る。

{全然、一息つけない。おっ、しまった!私の検査結果が、まだなんだけど。まあ、いっか。どうせ、何もないだろうし。}

「花田さん。花田 輝さん。」

呼ばれたので、検査エリアの部屋に入る。

看護師さんに、誘導されて、
「こちらに着替えて、貴重品をこちらに入れて、鍵をしてくださいね。」と、カーテンを閉められた小さい空間に入る。

着替えて、外に出ると、検査衣を着たまま、虚ろに座って寝ている人達が、見える。

{麻酔で、検査した人達だ。やっぱり、麻酔無しの人は、いないか..}と、心細くなっていたら、

「私は、このまま帰れるから、もう着替えるわ!」と、ハキハキ話すおばあさんが、看護師さんとやって来た。

{いた!80歳くらいのおばあさんだ}

「付き添い?付き添いなんていないわよ!一人で、帰れるわ!」

{恐れ入りました。私ごときが、心細くなっている場合では、ございませんでした。お恥ずかしい限りです。}

勇気づけられて、検査室に入る。
血圧計やら、いろいろ付けられて横たわって待っていると、桐生先生が現れた。

「花田さん、大丈夫ですか?早速、検査を始めますね。よろしくお願いしますね。」と、優しく挨拶してくれる。

「モニター見ながら、一緒にいきましょうか。はい、入りました。」と、ちょっと嬉しそうに言う。

{先生...モニター見ている余裕が私にあればいいんですけどね...}

「はい、進めていきますよ。これから、曲がるので、ちょっと痛いです。」

{いや、ちょっとじゃなく、かなり痛いです...}

「はい、もうちょっとで、奥に着きます。もう少し、頑張ってくださいね。」

{いや、もう、限界に近いです....}

「はい、奥まで行きました。これから、ゆっくり戻りながら見ていきますね。」と、私に微笑む。

「はい。」と、私は、苦笑いする。

「大丈夫ですね。今のところ、綺麗ですね。ポリープは、無いです。ところで、親御さんの病院の呼び出しのほうは、大丈夫でしたか?」と、尋ねてくれたので、

「あ、お母さん、心臓ペースメーカーの手術を受けることになりまして、明日から入院なんです。」と、答える。

「えっ!どこで、するんですか?」と、ビックリして聞く。

「あ、すみません。かかりつけの循環器内科が医大系列でして、こちらに来れませんでした。田山病院です。」と
、私は、ちょっと申し訳なく答える。

どうも、病院は、医大系列と日赤系列の2つに分かれているようだ。
お母さんは医大系列、私は日赤系列ばかりに、何故かなる。

「いや、そんなことは、気にしないでください。そうか、ペースメーカーか。心配ですね。」と、先生は、心配そうに私の顔を見る。

{いいから、お願い。検査をつづけてください。お腹が苦しいです...}

「明日から入院なんですね。じゃあ、通常は、一週間後にまた来てもらって、検査結果を話すんですが、ここで、終わらせていきましょう!」

{なんて、素敵なアイデア!}

「はい。是非、お願いします。」

「じゃあ、続けていきますよ。ここは、少し色が変わっていますけど、ちょっと炎症しているだけで、問題ないです。」と、桐生先生は、モニターで説明しながら、進めていく。


結局、こんな感じで、最後まで一緒に見たが、ポリープは無く、問題もなかった。

桐生先生は、
「じゃあ、会計して、帰ってくださいね。何かありましたら、いつでも、来てくださいね。」と、優しく見送ってくれた。

桐生先生は、親切で優しい。


安心した私は、下の売店で、焼きたてのメロンパンとパン・オ・ショコラ、シュークリームと煎れたての珈琲を買って、イートインスペースで、至福を感じながら食べた。

満たされた私は、病院をあとにする。

さあ、とりあえず、セリアに寄って、家に帰ろう!




🐈続く🐈