ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

ひなたの友達~はるみちゃん~

↑カテゴリーのタイトル別に分類しています。【その他】をクリックすると、その他の話、写真だけが出ます。🐈




はるみちゃんに会いたいな。

はるみちゃんは、小学校からの同級生だけど、仲良くなったのは、中学からだ。

はるみちゃん、よっちゃん、りんこちゃん、あさみちゃん、そして私の5人グループだった。

私は、部活はテニス部で、あさみちゃんはバレーボール部、りんこちゃんはバスケットボール部で、はるみちゃんとよっちゃんは、入ってなかった。

だから、はるみちゃんとよっちゃんは、特に仲が良かった。

私は、学校外でも、少林寺拳法をしていて、大会に出まくってたから、そんなに、しょっちゅう、みんなと一緒にいるわけでは、なかった。

でも、休みの日には、よく、はるみちゃんの家で、5人で集まっていた。

はるみちゃんちは、漫画がいっぱいあって、読み放題で楽しかったし、いつも、猫がいた。
猫は、私に一番懐いてくれた。

はるみちゃんは、「猫は、一番安全なところを選ぶのよ。」と、笑っていた。

猫とも遊べるし、最高だった。

今だと、不思議に感じるのだが、その頃は、全然、気にしていなかった。

はるみちゃんの家で、家族の人と会ったことが、一度もなかった。
いや、一回だけ、お姉さんに会った。

「はるみ、この子見といて。」と、はるみちゃんに赤ん坊を渡して出ていった、派手な女の人だった。

五人で、はるみちゃんちに泊まって、年を越したこともあった。
私は、徹夜が出来ないので、早々に、はるみちゃんのベッドで寝てしまった。

五人で、初午に行って、どんぐり飴を買ったりもした。

初詣で、夜に参拝に行ってキャーキャー騒いだ。
端の方が危ないならと、訳の分からない理由で、はるみちゃんとよっちゃんに挟んでもらって、歩いて参拝に行ってたっけ。
結構、夜なのに人が来ていて、かがり火が、綺麗だった。

高校は、私だけが、違う高校に進学して、他の4人は、同じ高校に進学した。

私は、受験勉強や新しい高校生活に忙しく、なかなかみんなと会えなくなったけど、それでも、たまに会っていた。

大学は、私が県外の大学、あさみちゃんとりんこちゃは、県内の大学、はるみちゃんとよっちゃんは、県内で働いていた。

夏休みとか長期休暇のときに、実家に帰ってきたときは、五人で会って遊んだ。

遊園地に行ったり、大池遊園に行って、白鳥のボートに乗ったり、ボーリングにカラオケ、楽しかった。

はるみちゃんは、歌が上手かった。
特に演歌が、すごく上手だった。
みんなはしゃいで、歌って、食べて、飲んで、おしゃべりした。

大学も終わるころ、はるみちゃんから電話があった。

「私でも、彼と結婚していいだろうか?」みたいな、相談だった。

何故、そんなことを聞くのか、さっぱり分からなかった。

「もちろんよ。結婚して、幸せになってよ。」と、笑って答えた。

そのあと、はるみちゃんは、結婚して、マンションに住んで幸せそうだった。


月日が流れて、あさみちゃんからメールが来た。

「はるみちゃんが、いなくなった。」

どうも、マンションから最小限の荷物だけを持って、夫婦でどこかに行ったらしい。
マンションのオーナーが、残った荷物を山に捨てて、その中にあさみちゃんの手紙が入ってて、連絡があったらしい。

そのだいぶ後で、分かったのだが、逃げるのに、りんこちゃんが、手伝ったらしいこと。

詳しいことは、りんこちゃんしか知らず、教えてもらえないこと。

はるみちゃんの家族から、逃げたらしく、居場所とか知られたくないこと。

元気で、夫婦で生活してるらしいこと。

私は、なにも知らなかった。分かっていなかった。

そして、今も、教えてもらえない。

はるみちゃんの家庭に小さいころから、問題があったことを。


はるみちゃんから、たまにCメールが来た。

【メリークリスマス。】とか、
【よいお年を】とか。

その度に返信したけど、そのうち、Cメールも来なくなった。


今でも思い出すのは、中学生のころ、校庭で、セーラー服姿で、五人で大きな口を開けて、笑っている幸せな光景だ。