ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

行政書士試験 -輝の会社

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昨日は、相手の保険会社から電話が、かかってこなかった。多分、今日かかって来るのだろう。
尾崎先生から、心配だから明日も来てくださいと帰り際に言われたので、今日は定時に仕事を終わらせて、母を尾崎整形外科に連れていくつもりだ。7時までには、十分間に合うだろう。
じゃあ、お母さん、ゆっくりしていてね。何かあったら、会社に電話して!と言って、会社に出かける。
私の会社は、中小企業の商社だ。販売、生産、技術の3部門に分かれていて、私は販売部門の地方の出張所にいる。さまざまなメーカーの商品や、部品を仕入れて、お客様に売る。お客と言ってもユーザーではなく、業者になる。一見客は無く、長年登録されているお客様が相手だ。職人気質のかたが多いので、それぞれのこだわりを持たれていて、なかなか難しい。
この会社、株式会社ハレルヤは、私の4個目の会社になる。
別に私が飽き性だからというわけではない。バブルが弾けて、就職氷河期で不況の中を漂ってきた結果だ。一個目、二個目の会社は関連会社だったが、今は、大会社に吸収されて、もう存在しない。三個目の会社は、社長と方針が合わなくて一年だけ、経理の修行をして退職した。その時にハローワークで求人に出ていたのが、今の会社だった。
西山所長と本社の総務部長の守山部長が、出張所の応接間で私を面接した。西山所長は、大人しく、ほとんど何も話さなかった。守山部長一人が話し続けていた。「いやぁ、うちの会社はなかなか安定してますよ!こちらが会社案内でしてね、ほら、資本金が結構大きいでしょう。」「いやぁ、私は会長が好きですね。なかなか厳しい所も多いですけど、思いやりがありましてね、私は一生ついていきますよ!」
延々と守山部長の話しは続いた。私への質問って、あったっけ?「じゃあ、近い内に結果のほうを連絡しますんで!」こんな感じで採用された。
後で、西山所長から「なかなかラッキーやったんやで。花ちゃん。」所長は、私のことを、花田ではなく、花ちゃんと呼ぶ。どうやら、前の事務員さんは、10年くらい、ここに勤めていて、出張所では、久しぶりの求人だったらしい。前の事務員さんは、経理が不得手で、よく問題を起こしていたらしく、経理が得意な私に目がとまったとのことだった。
入ったとき営業さんが、もう一人いたが、3ヶ月もしたら、本社に転勤になった。以来、ずっと所長と2人だ。
バブルのときは、事務員3人、営業3人、技術1人の7人もいたらしい。
その頃の売上も、今とあんまり変わらなかったらしいから、当時7人の仕事を、今、所長と2人でまわしていることになる。理不尽な話だ。
いいことといったら、2人だから、融通がきくくらいかなあなんて考えてたら会社に着いた。どうやら、今日も所長は、現場に直行らしい。
鍵を取り出して、事務所に入る。

🐈続く🐈