↑カテゴリー別のタイトルで編集しています。【輝の4番目の会社のこと】をクリックすると、4番目の会社の話しだけが見れます。🐈
↑やっぱりミルとココは仲よし💞
本部長の話が一段落して、あまり長引かせてはいけないと思い退出しようと腰を浮かせると、
「どこか不都合なところは、ありませんか?」と、本部長が突然言い出す。
私は、再び腰を降ろして、
「不都合なところ..不都合なような、でも別に不都合でもないような..いけてるから大丈夫じゃないのかな...不都合が分からなくなってしまっています..」と、私は、困惑してつぶやく。
「トイレは、どうですか?」
「トイレは、最近、直してもらったばかりですから...」
「テレビは、ありますね。これで、テレビ会議出来るんじゃないですか?」
確かに応接室には、いい感じのテレビがあるが..
「このテレビは、うつらないんです。多分、根本的な問題で..」と、私が答えると
今まで大人しく座っていた小山部長が、突然立ち上がってテレビを見に行き、
「うわっ、ほんまや。線が繋がってない。置いているだけや。」と驚く。
地デジになったときに見れなくなったのだ。西山所長は、何もしてくれないから。
冬野本部長は、まだ私と話しをしたがっているように見えるが、小山部長が
目で合図するので、
「では、私はこれで。ありがとうございました。」と、本部長にお礼を言って応接室を出る。
応接室を出ると、西山所長が不機嫌に仕事をしているので、何も言わずに自分の席にそっと着く。
しばらくして、本部長と小山部長が応接室から出てきた。
冬野本部長が、所長に
「どこか営業所で直すところとかないですか?彼女は、不都合なところが分からないって言うんですよ。」と、
困ったように言う。
所長は、いろいろな箇所を本部長に言い出す。
私は、黙って聞いている。
そのあと、本部長と小山部長が外に出て、いろいろ調べながら話している。
冬野本部長が戻ってきて、
「屋根とか外装の塗装をしたほうがいいですね。悪くなる前にすると、家は何年ももつんですよ。」と笑顔で話す。
「総務の川村をよこしますよ。見積りさせましょう。」
「川村さんは、忙しいんじゃないですか?最近、こちらに転勤になったばかりですし。」と、私が気兼ねして言うと、
「いや~、川村は狭い部屋に閉じ込められてて、外に出たがってるんですよ。」と
笑って答えるので、
「そんなことでしたら、いつでも、気晴らしにこちらに来ていただいてください。」と、私も安心して笑顔で答える。
「花田さんは、要望とか本当にないですか?」と、改めて聞いてくれるので、
「私は、住めれたら何でもいいです。」と答える。
本部長は、困った人だみたいな顔で苦笑いする。
そのあと、本部長は営業所に置いているカタログを見て歩いて、
「すごいですね。こんな種類のカタログまで置いてるなんて。こんなカタログ見たことないですよ。本社より、種類が豊富なんじゃないかな。」と、感嘆される。
「はい。私の趣味みたいなものです。メーカーが、最新のものを郵送してきてくれますし、私からも取り寄せていますので。」と、私は、誉められて満足げに答える。
本部長は、まだ私といろいろ話したそうだか、小山部長が帰り支度を始めて本社へ戻るのを急かせる。
冬野本部長が、
「また、着ます。たけちゃんにも、よろしく言っときますよ。来週、東京に行きますからね。」と言ってくれるので、私は嬉しくなって、
「はい。年末には会おうねって言ってください。」と、笑顔で答えて見送る。
帰った後、西山所長に、
「新しい方来るんですね。そのおかげで東京や関東に行かれる方には、申し訳ないですね。」と話しかけると、
「ああ、本部長の話しは途中から聞いてなかったわ。どうでもよくなって。」と言う。
「...」
私は、呆れて無言で所長を見つめる。
所長は、結局いつも自分のことだけなのだ。
リフォームも、自分がいなくなってから新しくなるのはつまらないのだ。
前からよく言っていた。
「新しい所長が来てから直してもらえ。」と、新しい所長がくるんならなって感じで。
だから、私は何も期待しなくなっていたのだ
。
むしろ、この営業所は、いつまでもつんだろう?いつ、閉められてしまうんだろう?と不安に思っていた。
それが本部長が来て、営業所が残ることになるし新しい所長が来ると聞いて、心から安心した。
リフォームして、次世代にこの営業所を引き継げられる。
私は、喜びに溢れていた。
🐈続く🐈