ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝の営業所の変化2~4番目の会社のこと

↑カテゴリー別のタイトルで編集しています。【輝の4番目の会社のこと】をクリックすると、4番目の会社の話しだけが見れます。🐈


f:id:myuutohinata:20201215133411j:plain

↑ミルとココは仲良し😃🍒😃


炊事場のほうに行って、お茶を入れる。

冬野本部長と小山部長と西山所長の分で、三杯の熱い緑茶をいれる。

少し自慢になるが、私はお茶をいれるのが上手い。

自分自身熱いお茶を飲むのが好きということもあって、絶妙のお湯の温度と茶葉の量、緑茶の濃さの絶妙な配分で最高品を作り上げる。

実際、お客様のじい様の中には、
「そこらじゅうで、お茶をもらうけど、ハレルヤさんでいただくお茶が一番美味しいね~。」と、言ってくださる方もいる。

まあ、お茶の美味しさが分かる人じゃないと、気づいてくれないんだが..
所長は、私のお茶を絶対飲まないし..

{毒でも入っていると思っているのだろうか。}

お茶の出し方が下手な私は、お茶の出し方とかのセミナーを受けたいと申し込もうとしたが、所長に、
「お前には、そんなものは必要ない。それより、こういうのが必要なんじゃないのか?」と、
【個人情報保護の基本】のセミナーを示す。

確かに、行政書士試験に受かっている私には、個人情報保護法の勉強が必要だ。

納得して、そちらのセミナーに変えた。

まあ、そういうわけで、お盆に三杯のお茶をのせて、こぼさないように、ぎこちなく応接室のドアの前まで行く。

内容は聞き取れないが、なかなか白熱しているようだ。

{どうしようかな?入ってもいいのかな?}
戸惑いながらノックして入る。

一斉に三人が話しを中断して、私の方を見る。

「あの、お茶です。」と、ぎこちなくお茶をテーブルに置いていく。

「ありがとう。」と、冬野本部長と小山部長が言って、お茶を受けとってくれる。

西山所長は、不機嫌に座ったままなので、前に置いておく。

まだ、話が長く続きそうなので、急いで退出する。

お盆を炊事場に戻して、ちょこんと自分の席に戻る。
仕事が手につかない。

{なにを話してるのかな?いつも、話の内容を所長は、教えてくれないんだよな..}

応接間のドアは、ずっと閉まったままだ。
{ちょっと、応接間のドアまで行って、聞き耳をたてよう。}

私は、そっと応接間の前に行って、ドアに耳を近づける。

{...笑い声しか聞こえないなあ。}

笑っているから、いい話なのかなと納得して席に戻る。

それから、かなり時間が経ってから西山所長だけが、応接室から出てきた。

案の定、所長は私に何も教えてくれない。

{ちぇっ。人事異動の発表まで内緒か。つまんないな。}としばらく、ふて腐れていると、

「花ちゃん。」と、小山部長が応接室から、私を手招きする。

所長の方を見ると知らんぷりしているので、招かれるままに応接室に行く。

小山部長が
「座って。」と目で合図するので、おずおずと2人の向かい側の大きなソファーにちょこんと座る。

{ドアから遠い方の席は、上司側の席じゃなかったっけ。大丈夫なのかな?}と、居心地が悪い気分で、もじもじ座っていると、

「この営業所を無くしたりはしません。」
と、冬野本部長が唐突に始める。

{え?}と、冬野本部長の顔を見つめると、本部長は、更に続ける。

「西山さんと花田さんが、利益を上げていることは分かっています。社長は、この営業所を無くすことないと断言しています。」

私は、ホッとして微笑む。

「ここには、福山が来ます。関東営業所の福山課長です。」

{福山さん...確か、入社したころ、私が本社の研修に行ったときに見たことがある。私が、訳も分からず、こっちおいでって違う部署の男の人に連れられていくのを助けてくれた人だ。}

ずいぶん昔のことだけど、雰囲気だけ覚えてる。
穏やかで優しそうな静かな印象だけど、頭がいい感じのひとだ。

「福山は、私より二歳年下です。」

{....どうしよう。本部長の歳、私、知らない...}

「私は、●●歳です。」と、本部長が教えてくれる。

本部長は、何も言わなくても私の言いたいことが分かる。

「結婚しております。」

{いや、それは別に尋ねてない。}

{そういえば、本部長は結婚してなかったっけ。去年、所長に嫌み言われて、俺は天涯孤独だとか言ってたらしいし...今もまだ独身なのかな...}

「単身赴任で来ますが...」と、冬野本部長は、福山さんが来る経緯を詳しく教えてくれる。

「この異動に伴い、まず本社から2人が東京に異動し1ヶ月引き継ぎを行い、さらに東京から関東に1人異動し1ヶ月引き継ぎです。最後に福山が、こちらに異動します。」と更に教えてくれる。

「この異動はまだ、内緒にしていただきたい。」

{う~ん、内緒か。いつまでだろう?}と困っていると、

「インフォメーションに出るまで、多分、あと二週間くらいかな。」

本部長は、何も言わなくても聞きたいことが分かってくれる。

言わなければいけないことが終わって冬野本部長が、
「これからもよろしくお願いします。」と言ったので、

{仕事のことを頼まれたんだな。うん、これで、お話は終わりだな。}と理解し、

「はい。」と答えて立ち上がろうとすると、

「たけちゃんは、元気ですよ。」と、冬野本部長が、いきなり言い出すので、再び腰をおろす。


たけちゃん、私の会社で一番の仲良しの女の子だ。
本社から、ずいぶん前に東京に転勤になった。
たけちゃんは、いつも私を助けてくれる。いつも、私の見方だ。

「たけちゃん。」私は、嬉しそうに発する。

それから、冬野本部長とたけちゃんの話しや、関東のお蕎麦の話し、私の後輩の営業マンの話しなどをする。

ちなみに、小山部長は、ずっと静かに座っている。
小山部長は、冬野本部長の前では、借りてきた猫状態なのだ。



🐈続く🐈