ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

本当の自分へ1🌈

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↑沖縄は、やっぱり、いいよね。😆



今回、ことばの攻撃を受けて、ダメージを受けてから回復するのに三週間ほどかかってしまった。

びっくりした。

もう、怖いものはないんじゃないかななんて思っていたから。

反面、まだまだ、未知の領域があることを知り、まだまだ学ぶことがあることに希望と未来を感じた。

そう、思いもかけない攻撃だったから、私は、無防備で、もろに傷を負うことになり、何が何だか分からなかったのだ。

一週間後に退職する西山所長の送別会でのことだった。

あと、一週間。
長かった。

でも、きちんと見送ることが出来そうだ。

西山所長の誕生日は、私の父の命日と同じだ。

父が、私の病から復活した後、肺癌になり、一年後亡くなってしまった。

それで、所長を父の身代わりみたいに、仕事で助けていた。

二日前に、宅建の試験にも受かっていた私は、肩の荷が降りたような気がしていた。

なにか、これから、自由に生きれるような、そんな感覚もあった。

小山部長、福山所長代理との4人だけの送別会で、気分よく食べていた。

私は、お酒が飲めないのでウーロン茶だったが、他の3人は、楽しく御酒も飲んでいた。

会話も楽しく、お料理も美味しかった。

突然、あの脈絡もないことばが所長から出るまでは。

小山部長が、
「こんな日が来るとはなぁ。終わる日がね。」と感慨深げに話していた。

いきなり、西山所長が、何の脈絡も言い出した。

「桜山商事に行ったとき、言われたことあったわ。」

桜山商事は、我が営業所の一番の大得意様で、そこに働いている部長から、若手のサービスマンとも長い付き合いで、私と気心が知れている方が多い。

信頼は厚いと信じていた。

「西山さん、大変や!西山さんと花田さんが、できてるって、桜山商事中で噂になってるでって。」

軽い口調だった。

{...}

一体、いつ、そんな噂が...

あんなに親しげに、親身に仕事の話しを今までしてきた桜山商事のあの部長に、あのサービスマンの子達、仲間みたいに思っていたあの人も、私のことをそんな風に思っていたっていうの?

「長いこと働いていると、そんな風に思われるんですねぇ。」

私は、無感情で静かに答える。

小山部長が、
「逆手にとって、だから、お金が要るんです。って仕事もらえば良かったな。」と楽しそうに続ける。

気分が悪い..

そのあとも、所長は、福山さんに、私の取扱説明みたいな話しをしていた。

私を逃がさないように、辞めさせないように、上手く使えみたいなことを。

こいつがいなくなったら終わりだからみたいな。

私にも、福本さんが定年で終わるまでいてやってくれみたいなことを言っていた。

私の感覚は麻痺していた。

送別会を無難に終えて帰った。

ただ、送別会の最後に小山部長から、所長に一言を求められたが、
「まだ、出社されますから」と断った。

なんのことばも贈りたくなかったから。

金曜日の送別会を終え、土日を過ごすうちに、麻痺した感覚が甦ってきた。

冷たい。
こころにつららみたいな大きい冷たいものが突き刺さっている。

冷たい。凍えそうだ。
苦しい。

凍てつきそうだ。
つららが溶けない。

涙が溢れて止まらない。

いつも、あたたかい光で満ち溢れていたこころが、凍ってバラバラに壊れそうだ。

涙が止まらない。
腕のほうまで、寒さが広がっている。


月曜日に会社に行っても、なおりそうもない。
それどころか、逆に壊れそうだ。

ダメだ。
このままじゃダメだ。
私は、壊れてしまう。

なんとか、つららを溶かさないと。

え~い!桜山商事の幸中部長(←取締役のナンバー2)にメールで、意見しよう。

よし、正式な文章で、きちんと書くぞ!

会社対会社なんだからね。

私は、経緯を説明して、意見を書く。

私は、会社の方針で二人体制で長年仕事をしているせいで、そのように言われるのは、とても心外です。
事実無根であり、訂正していただきたい。

また、このことが西山の嘘や思い違いなら、大変失礼なメールになりますこと、深くお詫び申します。

よし、送信だ!

これで、問題になって、会社辞めることになっても知るか!


幸中部長からの返信は、速かった。
10分くらいできた。

うちの誰が、そんなことを言っていたいるんでしょうか?
私は、そんな噂を聞いたことがありません。
うちの一番の情報通の谷岡に聞いても、聞いたことがないと言います。
思い違いではないでしょうか?
一度、落ち着いたときに、お電話ください。

???

あれ?どういうこと?

私は、急いで謝罪の返信を入れる。
でも、確かに間違いなくこんな会話があったのだと。

電話は、金曜日から情緒不安定で泣いてしまうから出来ないと。

幸中部長は、慌てて返信してくる。

誰かが冗談でいったやつがいたのかも知れない。
谷中だけしか聞いていない。
あまり、噂が一人歩きしてはいけないから、他には聞いていない。

くれぐれも、早まらないでください。

なんてこと!
幸中部長にこんなに手間と心配をかけさせてしまって!

私は、急いで、謝罪とお礼をメールする。


それから、途方に暮れる。

どういうこと?
何故、じゃあ、西山所長は、あんな嘘をあんな席で言ったの?

訳がわからない。
つららは、溶けないままだ。

冷たい。寒い。痛い。苦しい。

次の日、また、考える。

そうだ、会社のメンタルヘルス相談制度があった。
確か、外部に委託しているやつだ。

無料で電話相談出来るはず。
ここで、話して解決してもらおう。

私は、電話をしてみる。

「あの、どのようなことでも、いいのでしょうか?」

「15分の電話相談になさいますか?」

「ええ、15分で十分です。」

私は、泣きながら経緯を話す。

今週の金曜日に、所長が最終日なのだけど、持ちそうにないと。

相談事相手は、「今週、休んでは?最悪、最終日だけでも休みましょう。」と提案してくる。

「しかし、それは、許されるんでしょうか?」私は、躊躇する。

「もちろん、いいですよ。だって、病気ですよ。休めばいいんです。それに、最後にお礼なんか言いたくないでしょう?嘘も方便です。体調悪いから休みますって休めばいいんです。」と、相談相手は、断言する。

急に、なにか、気分が楽になった。

そうだ、休もう。

これ以上、所長に関わりたくない。
お礼のことばなんか言えない。

そうだ、逃げよう。

逃げて、終わらせよう。

そう!逃げるが勝ちだ。

さすが、プロ。
私には思い付かない方法を教えてくれた。

私は、次の日、早退して、連続有給を取って、所長がいなくなった月曜日に出てくることに決めた。

しかし、無断欠席も、いちいち電話で休むことも言いたくない。

それに、幸中部長の件が、放りっぱなしだ。
電話出来ないし..

もう、嫌だ!
もう、何とかしてよ!
あと片付けして!

私は、しんどいし、涙が溢れて止まんないし、カウンセラーに休めって言われたから、休む!

幸中部長とは、こんなんなってる。
やりとりメールを転送!

わ~!ごめんなさい!
でも、わたし、もう、無理!限界なの!

何とかして!冬野本部長!

冬野本部長にメールと、やりとりメールを転送し、早退と有給申請を出して、とんずらした。

~つづく~