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↑お腹ポンポコリンのミル
総務の川村さんは、いつリフォームの見積りに来てくれるのかな?
楽しみだな。
私は、ワクワクして待っていた。
ちょっとだけリフォームしてくれるだけで、別に構わないんだけどな。
危ないところと、床の張り替えとかだけで十分だ。
期待は、膨れていく。
たけちゃんにも、メールして喜びを伝える。
同時に、冬野本部長は優しいと伝える。
でも、いつまで待っても、なかなか川村さんは来ない。
次第にイライラしてきた。
やっぱり、ダメだったのかな?
イライラがピークになってきた。
そのとき、本部長から営業所に電話がかかってきた。
「お疲れさまです。西山所長は、いますか?」
冬野本部長の声は優しい。
「はい。お待ちください。」
私は、上機嫌で、すぐに取り次ぐ。
どうも、本部長もイライライラしていたようで、総務にわざわざ掛け合ってくれて、総務の守山部長を行かせるようにしてくれたらしい。
本部長と私のイライラのピークは、よく似ている。
もう、限界というときにタイミングよく電話をくれる。
総務部長は、3日後に約束して来てくれた。
「いやいや、なかなか、ここに来れてませんでして、すみませんでしたね。」と優しく言いながら、私にデパ地下で買ってきてくれた上品ないろんな種類の和菓子がいっぱい入った袋を手渡してくれる。
「わあ、ありがとうございます。」
私は、大喜びでお礼を言う。
私は、甘いものが大好きだ。
しかも、なかなか自分では買わない高級な和菓子ばっかりだ。
「良かったな。ええもんもらって。」と西山所長が、ひがみながら私に言う。
「いやいや、そんなに、いいものじゃないですよ。」と、守山部長は、宥めながら来客用の席につく。
2人は、本題のリフォームの話しを始める。
どうやら、所長はリフォームの箇所を細々と決めていたようで長々と説明していく。
{??全面改装?そんなに予算出るものなのかな?}
私は、何となく不安を感じる。
2人は、私の心配をよそに盛り上がっていく。
「ちょうどいい機会だと思いますよ。所長が代わるときですからね。」と、守山部長も乗り気になっている。
2人は、ついに席を立ってリフォームの箇所を見に行った。
{そんなにして大丈夫なのかな?}
私は不安を拭えないでいるが、総務部長が言ってるのだからいいのかなとも思ってしまう。
随分経ってから2人は戻ってきて、
「じゃあ、見積りを2社以上出してください。」と、守山部長が所長に指示する。
一応の話しは、ついたようだ。
私は、どうしても心配で
「見積りは、本社に任したほうが安くていいんじゃないですか?」と、所長に提案したが、すぐに脚下された。
総務部長は、そのあと、私的な話し等を、お茶を飲みながらゆっくりされて、機嫌よく帰っていかれた。
帰ってから、西山所長が、
「今は、俺は仕事が立て込んでて、する暇がないから落ち着いてからやな。」と、訳の分からないことを言い出す。
業者に連絡して見積りしてもらうだけなのに。
所長は、自分が居なくなってから営業所が綺麗になるのが気に入らないのだろう。
それから、二週間も所長は、業者に電話しなかった。
電話をかければ済むことなのに。
おかげで、三者の業者の見積りが揃うのは、1ヶ月以上もかかった。
その上、あれもこれも所長が、細かく指示したおかげで、かなりの高額になっていたようだ。
「さあ、これで会社の方針が分かるぞ。これだけ出しても残して置きたいかどうか。こんなにかかるんだったら止めとこうかって言うかもな。」と、嫌な笑いをしながら言う。
所長は、自分が居なくなったあとのことなんか、どうでもいいのだろう。
むしろ、居なくなったあとに良くなるのが、やはり気に入らないのだろう。
三社の見積書は、総務部長に提出された。
総務部長に見積書が着いた頃に、所長が説明しようと電話をかける。
電話の向こうで、総務部長が見積書を見て、金額に驚いている様子が感じとれる。
電話を終えてから、所長が、
「なんか金額見て、悲鳴あげてたわ。常識ないんかって感じやったわ。」と私に戸惑いながら言う。
{単なるバカなだけなのかな。こんなことなら、私がやれば良かった。みんな、所長なんかに任せるから..}
私は、途方に暮れる。
🐈続く🐈