ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

本部長の見え方???

↑カテゴリー別のタイトルで編集しています。【輝の4番目の会社の話】【輝とココの話】をクリックすると、4番目の会社の話、ココの話だけが見れます。🐈


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↑まんまるのココ

本部長は、私が4番目の会社に入ったころからいた。

でも、あまり顔をあわすことがなかった。

というか、私には遠い存在だ。

本部長は、その頃は、本部長ではなかったと思うが、会社の上のほうにいて、私は地方の下のほうだ。

だから、私は、存在すら知らない感じだった。

本部長は、よく、転勤や、部署が変わっていたので、インフォメーションでは、名前を見ていた。

広島、東京、大阪、コロコロ変わっていた。

{大変だな。}と、その度に思っていた。

本部長の話しは、他の人達から聞いたことがあった。

怒ったら恐い 。
鬼軍曹。
仕事の鬼。
女の子の髪の毛を掴んで怒っていた話しとか。

ろくでもない話しが、多かった。

新しく来た所長代理も、もれなくその話しをしてくれた。

所長代理と本部長は、本部長が課長で所長代理が部下だったころからの付き合いになる。

若かったころの本部長は、今より尖っていたらしい。

所長代理は、ある時期、本部長に無視されていたらしい。

気に入らないと無視をするんだ。
本部長のパワハラで辞めた人もいる。

所長代理は、私にいろいろ話した。

「でも、男の人が、無視くらいで辞めるものなの?」
私は、府に落ちず反論する。

「もちろん、その人の素行も悪く、問題がありました。」
所長代理は、ポツリと言う。

「でも、本部長は、私には怒らなかったし、話しをきちんと聞いてくれたわ。」と、私は、さらに反論する。

「あの人は、筋が通っていたら話しを聞きます。花田さんは、筋が通っていて、正論だったんでしょう。筋が通っていたら、もし、失敗しても怒ったりしません。」

私は、うんうんと頷く。

「ただ、女の人が、あの人に歯向かっていくのを私は、見たことがありません。」所長代理は、笑う。

{ん?}
私は、不思議そうな顔で所長代理を見る。

「だって!本部長が恐いのは有名じゃないですか!歯向かっていく人なんていませんよ。」
何て恐ろしい!という感じで、所長代理は、言う。

{....}

{でも、あのときでさえ、本部長の目は、優しさに溢れていたけどな....}

「あ!そういえば、最近、本社にセミナーに行ったとき、一緒にランチを食べた本社の子が、スポンサーからお金をいただいてるのでって、全員の分、払ってくれたんだけど。お礼言いたくて、誰から?って聞いても、匿名希望でって言われてるらしくて分かんなかったんだけど?」
私は、急に思いついて尋ねる。

「その日は、本社に本部長は、いましたか?」所長代理が尋ねる。

私は、頷く。

「では、本部長です。あの人は、男気があるから。」

「やっぱり。本部長だって思ってたんです。優しいですよね。」
私は、喜んで笑顔でこたえる。

「あの人は、そういうところは優しいです。男気は、ありますからね。」

私は、満足そうに、うんうんと頷く。

所長代理は、本部長のことを、あまり好きではないようだ。

ふむ。
男社会での男同士だと違うものなのかな?

でも、同僚の女の子も、本部長のこと、鬼軍曹って呼んでるな。

???

私だけ、見え方が違うのかな。

おかしいな?

私の眼に写っている本部長の姿は、こんな感じなんだけどな...


繊細で、
傷つきやすいガラスのような心

優しすぎるが故に傷つきやすい

男たるもの弱みを見せるわけにはいかない。
幾重にも鎧をまとって隠している。

正義心が強く筋を通さないと嫌で、
そのぶん不器用で要領の悪いところがあり、損をしているところがある。

みんなのために良かれと歯をくいしばって頑張っているのに、みんなからは、思うほど感謝されない。

重い鎧で必死にみんなのために闘っているのに、傷だらけでクタクタだ。

でも、戦いをやめるわけにはいかない。これは、俺の使命だから。

本当は、優しくて繊細で純粋な心をもった少年のような人なのに。


おかしいな?私に見えている本部長の姿は、みんなには見えないのかな?

私は、本部長と直接会ったり、話したことは、数えるほどしかない。

でも、はっきり分かるのに。
はっきり、これが正解だと分かる。

だけど、少なくとも、所長代理には、そんな風に見えてないようだ。

おかしいな?
本部長は、優しさに溢れてるのに..
おかしいな?
本部長は、愛情に溢れた人なのに..