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↑まんまるのココ
本部長は、私が4番目の会社に入ったころからいた。
でも、あまり顔をあわすことがなかった。
というか、私には遠い存在だ。
本部長は、その頃は、本部長ではなかったと思うが、会社の上のほうにいて、私は地方の下のほうだ。
だから、私は、存在すら知らない感じだった。
本部長は、よく、転勤や、部署が変わっていたので、インフォメーションでは、名前を見ていた。
広島、東京、大阪、コロコロ変わっていた。
{大変だな。}と、その度に思っていた。
本部長の話しは、他の人達から聞いたことがあった。
怒ったら恐い 。
鬼軍曹。
仕事の鬼。
女の子の髪の毛を掴んで怒っていた話しとか。
ろくでもない話しが、多かった。
新しく来た所長代理も、もれなくその話しをしてくれた。
所長代理と本部長は、本部長が課長で所長代理が部下だったころからの付き合いになる。
若かったころの本部長は、今より尖っていたらしい。
所長代理は、ある時期、本部長に無視されていたらしい。
気に入らないと無視をするんだ。
本部長のパワハラで辞めた人もいる。
所長代理は、私にいろいろ話した。
「でも、男の人が、無視くらいで辞めるものなの?」
私は、府に落ちず反論する。
「もちろん、その人の素行も悪く、問題がありました。」
所長代理は、ポツリと言う。
「でも、本部長は、私には怒らなかったし、話しをきちんと聞いてくれたわ。」と、私は、さらに反論する。
「あの人は、筋が通っていたら話しを聞きます。花田さんは、筋が通っていて、正論だったんでしょう。筋が通っていたら、もし、失敗しても怒ったりしません。」
私は、うんうんと頷く。
「ただ、女の人が、あの人に歯向かっていくのを私は、見たことがありません。」所長代理は、笑う。
{ん?}
私は、不思議そうな顔で所長代理を見る。
「だって!本部長が恐いのは有名じゃないですか!歯向かっていく人なんていませんよ。」
何て恐ろしい!という感じで、所長代理は、言う。
{....}
{でも、あのときでさえ、本部長の目は、優しさに溢れていたけどな....}
「あ!そういえば、最近、本社にセミナーに行ったとき、一緒にランチを食べた本社の子が、スポンサーからお金をいただいてるのでって、全員の分、払ってくれたんだけど。お礼言いたくて、誰から?って聞いても、匿名希望でって言われてるらしくて分かんなかったんだけど?」
私は、急に思いついて尋ねる。
「その日は、本社に本部長は、いましたか?」所長代理が尋ねる。
私は、頷く。
「では、本部長です。あの人は、男気があるから。」
「やっぱり。本部長だって思ってたんです。優しいですよね。」
私は、喜んで笑顔でこたえる。
「あの人は、そういうところは優しいです。男気は、ありますからね。」
私は、満足そうに、うんうんと頷く。
所長代理は、本部長のことを、あまり好きではないようだ。
ふむ。
男社会での男同士だと違うものなのかな?
でも、同僚の女の子も、本部長のこと、鬼軍曹って呼んでるな。
???
私だけ、見え方が違うのかな。
おかしいな?
私の眼に写っている本部長の姿は、こんな感じなんだけどな...
繊細で、
傷つきやすいガラスのような心
優しすぎるが故に傷つきやすい
男たるもの弱みを見せるわけにはいかない。
幾重にも鎧をまとって隠している。
正義心が強く筋を通さないと嫌で、
そのぶん不器用で要領の悪いところがあり、損をしているところがある。
みんなのために良かれと歯をくいしばって頑張っているのに、みんなからは、思うほど感謝されない。
重い鎧で必死にみんなのために闘っているのに、傷だらけでクタクタだ。
でも、戦いをやめるわけにはいかない。これは、俺の使命だから。
本当は、優しくて繊細で純粋な心をもった少年のような人なのに。
おかしいな?私に見えている本部長の姿は、みんなには見えないのかな?
私は、本部長と直接会ったり、話したことは、数えるほどしかない。
でも、はっきり分かるのに。
はっきり、これが正解だと分かる。
だけど、少なくとも、所長代理には、そんな風に見えてないようだ。
おかしいな?
本部長は、優しさに溢れてるのに..
おかしいな?
本部長は、愛情に溢れた人なのに..