ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

感謝 ~輝の2番目の会社の話

↑カテゴリー別のタイトルで編集しています。【輝の2番目の会社のこと】【輝の一番目の会社のこと】【輝とココのこと】をクリックすると、一番目、2番目の会社の話、ココの話だけが見れます。🐈


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↑ココは、かわいい🎀


最近、ふと、しみじみ思った。

私が、今、こうやって、ここにいるのって、すごい奇跡なんじゃないかなって。

お日さまの温かさを感じて、道端に咲いている花や咲き誇るさつきの花、キラキラ光る木々の新緑の美しさにうっとりと見とれながら幸せを感じているときに、そう思ったんだ。

私は、今まで、たくさんの人に出会ってきたな。

ずっと、一緒ってわけにはいかないけど、そのとき、そのときに必要な人がいてくれたんだ。

そして、そのとき、そのときに、私に必要なことを教えてくれ、助けてくれた。

今の私が存在するのは、数えきれないほど多くの人達の出会いと助けと教えの上にある。

すごいことだと思う。

誰一人欠けても、今の私は、存在しない。

今まで出会った全ての人に感謝でいっぱいだ。

その中には、私に試練を与えた人もいた。

でも、そのことがなかったら、私は、成長出来なかったし、知ることも出来なかった。

そう、その人は、私の為に、悪役を演じてくれた。

嫌なことがなかったら幸せだけど、人の痛みも分からないままだし、同時に優しさを知ることもない。

私は、いろんな経験を通じて、たくさんのことを学ばせてもらった。

試練の中でも、{もうダメだ、ギブアップだ!}というときは、神様は優しい。

救いの手を差しのべてくれる。

{よく頑張ったね。もう、いいよ}

神様は、きちんと見てくれていて、助けてくれる。

私は、宗教関連の人ではない。

でも、私は、神様を信じている。
神様は、優しくて光に満ちていて、とてもあたたかい。
どこまでも思いやりがある。

神様は、私を好きだ。
私も、神様が大好きだ。

私が、神様を信じる事柄の一つを今日は、話してみたくなったんだ。


私は、一番目の会社から2番目の会社に移ったとき、ドン底の中にいた。

一番目の会社で、卵巣腫瘍で片方の卵巣を3キロまで大きくして、もう少しで死ね寸前だったところ、片方の卵巣を摘出して助かった。

↑【輝の一番目の会社のこと】の輝の保険の憂うつに詳しい話は書いています。

助かって、ホッとしたのも束の間、父の肺がんが発覚して余命6ヶ月と宣告された。

病気といろんなことが重なり、未熟だった私は、離婚してしまった。

耐えられなかった。

それでも、私のために頑張って一年も生きていてくれた父も亡くなり、私は、一気に落ち込んでしまったようだ。

そんな私を心配して、2番目の会社の社長は、私を引き取ってくれた。

一番目の会社の上層部の方達と話し合った上のことだったようだ。

「ゆっくりしてくれていいよ。」
2番の会社の社長は、私に優しく言った。

社長の目を見ると、こう言っているのが伝わってきた。
【大丈夫。僕が守るよ。安心して。】

私は、安心して頷いた。

言葉通り、社長は、私の仕事と職場環境に配慮してくれていた。

2番目の会社は、楽しかった。
いろんな人に出会えた。
私の傷は、徐々に癒えていった。

でも、この話しは、また、いずれゆっくりしよう。

私の残った片方の卵巣が、大きくなり始めた。

経過観察で、お医者さんに、遂に言われた。

「6センチになっています。悪性になる可能性があるので、摘出しましょう。」と。

「そんな!卵巣がなくなったら、ホルモンが!この子は、まだ、若いんですよ!どうなるんです!」
母が、わめき出す。

「ホルモン療法とかで...」

「そんな!」

母と医者の言い争いは、続く。

ショック過ぎたのか、変に冷めていて、何も感じない。

しばらく日にちがたって、全てを受け入れることにした私は、手術を受けることにした。

でも、おばあちゃんがストップをかけた。

「あんたは、輝ちゃんをお父さんの二の舞にするつもりか!輝ちゃんは、私が違う病院で診てもらう。手術は、それからや!」

おばあちゃんは、お母さんに言い放った。

新しい病院の先生は、優しかった。
きちんと丁寧に診てくれた。

だけど、結果は、変わらなかった。
新しい病院で手術することになった。

ただ、先生は、もう少し待ちたいと、手術の日を二週間延ばした。

手術の前日まで、私は、会社で普通に働いていた。

2番目の会社の職場には、ライバル会社も入っていて、うちの会社と対等の立場で、その上に有名な電器メーカーがあった。

有名な電器メーカーの人達にも、私のことは有名だったようだ。

その電器メーカーは、物事を決めるのに、神様にお伺いをするようだ。

私は、金曜日まで働いて、土曜日に入院して、月曜日に手術することになっていた。

ちょうど、その金曜日は、神様にお伺いをする日だったようだ。

ライバル会社の上長が、切ったメロンを持ってきた。

電器メーカーからのものだった。
「お供えのもので、メーカーの人から、花田さんに食べていただきたいとのことだ。」と、上長は、私にメロンを渡す。

「ご利益で、治るかもな。」と、上長は、冗談まじりに言って、笑いながら去っていった。

私の会社とこの上長の会社は、メーカーの仕事を二分していた。

私が、いなくなれば、全部を自分の会社で出来ると思って喜んでいるのだろう。

ただ、上長の部下の作業長始め、下の人達は、私と仲が良かった。

私は、いただいたメロンを食べた。
普通に美味しかった。

私は、次の日、入院した。
おばあちゃんにおじいちゃん、お母さんもついてきてくれていた。

みんな、私を励まし、一緒にいれる時間までついていてくれていた。

私は、もう、覚悟を決めていた。

無くなるものは仕方ない。
これをきっかけに、また、何か新しいことを始めよう。

何か意味があるのだろう。
女性らしさがなくなるんだったら、男のような人生を歩んでもいいのかもしれない。

うん、すっきり、迷いがなくなって、かえっていいかもしれない。

それとも、何か、本でも書いてみようかな。

私は、病室で一人、ベッドに座り、手術前の検査を待ちながら、落ち着いて考えていた。

「花田さん。」
看護師さんに呼ばれて、一緒に検査室に行った。

「やあ、大丈夫かい?じゃあ、診させてもらうよ。」
先生は、優しい。

診察している先生の手が止まって、しばらく、無言が続く。

「....」

???どうしたんだろう?ひどくなったのかな??


「花田さん!」

「はい?」

「やったよ!消えてる!元の大きさに戻っている!」

「ん???」

「たまにあるんだ!6センチまでの大きさで消えることが!待って良かったよ!」

「え??つまり?」

「ああ!手術は、無しだ!必要ないからね。帰る準備をしよう。家族の人に説明するよ。」
先生は、満面の笑顔で話す。

私は、茫然としている。

茫然としている私を看護師さんが、優しく病室に連れて戻る。

訳が分からないが、帰れることは、確かなようなので、パジャマから着替えて、帰る準備を始める。

その間、待合室で待っていたお母さん達は、先生の説明を聞いていたようだ。

おばあちゃんたちが、大喜びで病室に入ってくる。

「良かった!輝ちゃん、ほんまに良かったなぁ。」
おばあちゃんが、私の手をさすりながら、大喜びする。

おじいちゃんが、嬉しそうに頷いている。
お母さんは、気が緩んで涙ぐんでいる。

みんな、心から喜んでくれている。

私は、まだ、夢うつつだ。

ぼ~っとしたまま、先生にお礼を言って、おばあちゃん達に連れられて帰った。

日曜日も、ぼ~っとしている、

突然、我にかえって、
{あ!明日、会社に行っていいんだ。しばらく、休むことになってたけど、いいのかな...}

普通に土日休んで、月曜日出勤のようになった私は、事前に何も説明なしに、惑いながら出勤する。

いつも通り、自分の車を駐車場に入れると、遠くからライバル会社の作業長が、急いでやってくる。

私と作業長は、仲がよい。

嬉しそうに、駆け寄ってくる。

「どうしたんや?」
嬉しそうに尋ねる。

「それが、急に消えて、手術しなくても良くなって..」

私が言うや否や、満面の笑顔で走り去っていく。

みんなに報告しに行くのだろう。

職場に入ると、みんなが祝福してくれた。

みんなの笑顔が、嬉しかった。

みんなの笑顔を見て、ようやく、自分は、助かったんだと実感した。

急に喜びと感謝でいっぱいになった。

神様、ありがとう。
私を助けてくれて、ありがとう。

しばらくして、怯えたような顔でライバル会社の上長がやってきた。

「頼むから!お願いだから、俺の顔と名前を忘れてくれ!」
と、必死に拝みながら言う。

「頼む!忘れてくれ!」
上長は、頼みまくって、急いで去っていった。

私は、唖然と見ていた。
{忘れるって言われても。名前と顔なんか、なかなか....}
私は、困ってしまっていた。


私は、この出来事で、
{神様は、いるんだ。}って実感して、嬉しくなった。

神様は、ちゃんと見てくれてるんだ。

何一つ違っても、こんな結果にならなかった。

先生が二週間、手術を延ばしてくれていなかったら。

おばあちゃんが、病院を変えてくれていなかったら。

2番目の社長が、私を引き取ってくれていなかったら。

たくさんの人の思いやりの上に、私は、生きている。

私は、本当に幸せ者だ。