輝の迷走6~輝の4番目の会社
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↑無防備に眠るココはかわいい💞
金曜日の仕事をやっと終え、帰宅すると、ヘロヘロになっていた。
いや、しかし、この日曜日までには、書類を送付したい。
土曜日には、履歴書を完成させ、写真をとって...
ダメだ。今日は、もう、頭が働かない。
とっとと、終わらせたいが、無理だ。
とりあえず、今日は、もう眠ろう。
ぐっすり眠って、明日、とりかかることにしよう。
なんか指示があったな。
そうだ。
履歴書は、必ず手書きで書くことと、転勤の可否を書くことだ。
転勤か..
転勤は、出来たら避けたいな。
ミルとココが心配だし、お母さんも心配だ。
今の会社でも、だから、転勤しなくていいポジションにしてるんだし。
もし、転勤しても何も問題ない状況だったら、今の会社でも、そうしてただろうな..
実際、何度か、本社に来てほしいとか、他部門からのお誘いもあったし、他の会社からのお誘いもあった。
でも、一番は、お母さんが心配だったから、断ってきた。
それに加えて、ミルとココも加わったから。
実際、私は、本当は、転勤したかったのかな?
他のことを考えず、自分の希望だけを考えたら..
どうなんだろう?
今回は、自分の本当の希望を書いてみようか..
私は、お風呂上がりに応接間のソファに座り、お母さんにポツリと尋ねる。
「転勤の可否を聞かれてるんだけど、要相談にしようと思うんだけど?」
「転勤?ずっとなの?」
「いや、修行が6ヶ月から一年って書いてるから、それくらいかな?早く終わらせるつもりだから6ヶ月かな。」
「それくらいなら」
「お母さんもミルもココも一緒に行く?」
「どこなの?」
「多分、◯◯県か、◯◯県かな。」
「お母さんは、ここにいるわ。ミルとココもここで面倒みるわ。」
「大丈夫なの?」
「なんとかなるわよ。行きたいんでしょう?」
そう、行ってみたい。
と言うか、自分を試してみたかった。
私は、ゆっくりと頷く。
「それより、お金は大事よ。給料、下がるんじゃない?大丈夫?」
お母さんは、逆に心配してくれる。
「まあ、ちょっとは下がるかも。でも、お金は大事だからね。今の年収から50万引いた年収◯◯◯万以上希望って履歴書に書いとくよ。」
「それがいいわ。」
お母さんは、納得してくれる。
ミルとココは、この会話の間、そばで真剣な顔で、ずっと聞いていた。
うん、履歴書は、正直に書こう。
だいたい受かるかどうかも分からないのに、自分の好きな通りに書いても問題ないだろう。
私は、決意して、眠りに2階の自分の部屋に上がった。
明日は、11時にお母さんを歯医者に連れて行って、お昼ご飯を一緒に食べて、買い物などを済ませて帰ってくるだけだから、履歴書を書く時間は、いっぱいある。
うん、よく考えて書くことにしよう。
私は、安心して眠りについた。
次の日の朝
よく眠った私は、頭は回復していた。
疲れは、なかなか取れないものだ。
起きて、窓のカーテンを開けると、青空が広がっている。
清々しい天気だ。
私は、ミルと一緒に一階に降りて、ミルとココに朝ごはんをあげる。
かわいい姿で、美味しそうにカリカリを食べているココを見て、ふと思う。
{う~ん、転勤したら、こんなかわいい光景も見れないんだな..}
いやいや、早く仕事を覚えて戻ってきたらいいだけだ。
ミルもココも、成長してるんだから、大丈夫。
私は、自分に言い聞かせる。
新聞を取りに行ってから、部屋に戻って、履歴書にとりかかり始める。
うん、まず、下書きね。
経歴は?
ああ、今は西暦で書くのか。
時代は、変わるよね。
次に、資格ね。
あれとこれでしょう。
え?
資格を書く欄が足りないな。
仕方ない。
後で、職務経歴書のほうにつけ加えて書いとこう。
そうそう、最近取った、フォークリフトの資格も書かないと。
{.....}
冬野本部長、福山さんに怒ってたな。
「フォークリフトってなんやねん!」
なんで、そんなもん、取りに行かせるんやって感じで..
仕方ないな。
本部長は、心配性だから。
今は、女でも大型トラックに乗る時代なのに。
そりゃあ、会社で、フォークリフト取ってる女性はいないけど、よく考えてよ。
女だからこそ、力がないから、フォークリフトに助けてもらうんじゃない。
まあ、確かに、フォークリフトの試験に女性は、ほんの一握りしかいなかったけど..
私は、履歴書の下書きを進めていく。
あっというまに、お母さんを歯医者に連れていく時間になった。
さて、出掛けるか。
「ココ、行ってくるね。」
私は、いつもの窓際の座布団に座っているココの頭を撫でながら言う。
「ミル?」
あれ?ミルが、いつものところにいないな。
「ミル!ミル!」
2階から一階に降りて、居そうなところを探す。
見当たらない。
「どうしたの?どこかに隠れているんじゃない?」
お母さんも一緒に探してくれる。
2人でめぼしいところを探すが、見当たらない。
私は、徐々に焦ってくる。
{まさか!外に出たんじゃ?}
「お母さん!洗濯のときに外に出したんじゃないの?」
「朝から、ミルを見てないわよ。」
お母さんが答えるのを聞いて、顔面蒼白になる。
{え?じゃあ、新聞を取りに行ったときに..}
あれから、どれだけ時間が経っているんだろう..
私は、慌てて外に出ていく。
~続く~