ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

真由美の失恋

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【その他】をクリックすると、その他の話、写真だけが、出ます。🐈






いつも通り、ノートパソコンに向かって、伝票を打っていた。ブ~ブ~携帯のマナーモードが鳴る。今、何時?壁の時計を見上げる。9時20分、まだ会社始まって、そんなに経ってない。何だろう?携帯を見る。健からだ。[真由美、ごめん。女の子を妊娠させた。どうしよう] え?目の前が真っ白になって、血の気が引く。物音が遠く聞こえる。幸い、みんな営業に行ってて、事務所は私だけだ。現実味を感じない。機械的に返信する。[じゃあ、お幸せに。今までありがとう。]何も考えられない。現実じゃないみたいだ。[あんまり、タイプじゃないんだよな。]訳わかんない。[じゃあ、その人の子ども引きとって私と一緒に育てよう。]無茶苦茶だけど私は真剣だ。世間に何て言われてもいい。友達を失ってもいい。健と一緒に、いられるのなら。何でもいい。[いや、そんな面倒なことは出来ない]最悪だ。健は、子どもをおろさせようとしている。それだけは、出来ない。そんなことをしたら夜叉になる。人間終わりだ。最後の一線を越えてしまう。これだけは、譲れない。[たける、さよなら。]携帯の電源を切る。ぼ~っとする。虚脱感だ。たけるは、そんな人だと分かってた。でも、好きだったんだ。自分を偽ってもいい。私と会っているときは、私だけのたけるだ。まやかしでもいい。いつまでも続かないのは、分かってる。ただ、続けられるまで。一日でも長く、出来れば永遠に。分かってる。そんなのホンモのじゃないって。それでもいい。ただ好きなんだ。ただ、一緒にいたいんだ。ただ、それだけだったんだ。