ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

行政書士試験 -きっかけ1

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝の行政書士試験】をクリックすると、ひかるの行政書士試験合格までの物語だけが、出ます。🐈







私は、バリバリの理系だ。
まさか、こんな私が行政書士試験を目指すとは。
人生とは分からないものだ。

きっかけは、一本の電話だった。
会社にいるときに着信がきた。
家の近くの公立病院からだ。
何だろう?
「花田 輝さんですか?田山病院です。以前、連絡者欄に登録されてたもので。お母様が事故にあわれまして」え?私は、この歳で母まで亡くすのか?
「あ!大丈夫です。命に関わるとかそういうわけではないので、ご安心ください。ただ、事故のときの記憶を失ってまして、1人で家に帰らせるわけには」
どんな状況なんだろう??
迎えに行きます。ただ、会社が市内なので、一時間くらいかかります。
パニックだ!とりあえず、上司の西山所長に説明して仕事を片付けて、急いで病院に向かった。
お母さん!
「あ、ひかる。お姉ちゃん。帰ろう。」母は、診察室の横の部屋のベッドで心電図やらなんやらの線につながれていたが、起き上がりながら言った。
擦り傷やら、打撲やらの治療の跡がいっぱいだし、右目の下が切れたみたいで何か貼ってくれているが、腫れていてお岩さんみたいだ。
看護婦と医者の話を聴く。
看護婦「お母様はショックで事故のときの記憶が全くありません。」
医者「以前、心臓の手術でこちらに入院されているので、心電図をみていたのですが異常ありません。頭のCT も撮りましたが大丈夫です。ただ、頭を打った場合は、二三日後に症状が出る場合がありますので、安静にして様子をみてください。こちらが担当の警察官と相手の連絡先です。警察官が救急車で一緒についてきたのですが...]と心配そうに言う。
というか、何でお母さん、救急車で運ばれたのに、1人でほったらかされてるんだろう??お母さんがスクーターで、相手は車なのに?
とりあえず、お母さん、家に帰ってゆっくりしよう。
会計をまず済ませて... 高!三万八千円って。
「事故なので健康保健が効かないので10割負担になります。後で相手の保険会社から返ってきますよ。領収証を保管しといてくださいね。」事務員が言う。
そんなものなのか。
薬を貰いにいって、家に向かう。
「お姉ちゃん、病院で横になっているときからしか記憶がないんよ。眼医者に行くのにスクーターで病院にいったんだけど。」
痛々しい母だ。よっぽど怖かったんだろう。
確か前に、人はショックに耐えられないときは防御反応で記憶を無くすと聞いたことがあるな。
思い出さないほうがいいんだろう。
きっと母には耐えられないんだろう。まあ、命があっただけ良かったじゃないか。
途中で、ドラッグストアによって、消毒液やら、貼るだけで治癒する高めの絆創膏やら、ガーゼやらを買い、隣のスーパーで、お昼御飯を買った。
家に戻って、お昼御飯とデザートを食べて、母をゆっくりさせてから、警察官に電話した。
「あ、花田さんの娘さんですか。お母さんが、中央分離帯のところから、車に突っ込んできたらしくて。スクーターは、その道路の付近に置いてます。物損で処理してます。」
え?怪我してるのに???
スクーターは、後で歩いて取りに行った。相手先に、連絡してみる。
「あ、怪我は大丈夫ですか?」
「良かった、ほんとにすみません。保険会社には連絡してますんで、明日にでも連絡がいくと思いますんで。」あ、連絡は私の携帯にください。
「分かりました。ほんとにすみませんでした。」
良かった。よさそうな人だ。
しかし、後で分かるのだが、こいつは、とんだ食わせ者だった。
そんなことは、露とも思わず母とゆっくりしていたら、家の電話が鳴った。母が出て、丁寧に対応している。
田山病院の先程の先生からで、もしかしたら右足首とかどこか骨折しているかも知れないので整形外科でみてもらったほうがいいとのことだった。
夕方の部がいけるから、近くの尾崎整形外科に行った。
「どうしました?」
「なるほど、私も小学生のころ、交通事故にあいまして、やっぱり事故のときの記憶を無くしました。よくあることです。心配することじゃありませんよ。」
尾崎先生は、そこらじゅうのレントゲンを撮ってくれて、傷の状態から隅々まで細かく記録してくれた。
結局、骨折は無く右足首の捻挫と、無数の打撲と切り傷だった。
「後でムチ打ちとか出てくるかもしれません。湿布と薬を出しておきますので様子をみてください。」
ここでも、10割負担で会計を済ませた。
お母さん、疲れたでしょう。餃子の王将で美味しいもの食べて、スタミナつけよっか。
「いい考えやね。お母さん、お腹すいたわ。」
美味しそうに、餃子やら酢豚やらチャーハンを食べる母をみて安心した。食欲もあるし、骨折もしてなかったし、何より命があって、ほんとに良かった。

🐈続く🐈