ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝と保険屋との闘い- 戦闘準備4-

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝の行政書士試験】をクリックすると、ひかるの行政書士試験合格までの物語だけが、出ます。🐈






「お母さん、スクーターの修理って、いつものところに出すの?」と、
私は会社に出かける用意をしながら、尋ねる。

「そう、沼田モーターに電話して、取りにきてもらうわ。あそこは、親切だから。」

沼田モーターは、二代目の若い兄ちゃんが、経営している。

「じゃあ、兄ちゃんに、ABC損保の蒲田ってガラの悪い保険屋のオバンから、修理費のことで、電話いくって言っといて。んで、修理費は、向こうから出ないらしいから、修理終わったら、現金で、すぐ払うって言っといて。」と私は、気分悪そうに言う。

「お姉ちゃん、お母さん払うからね。」とお母さんが、申し訳なさそうに言う。

「いや、私が全部払う。病院代と修理代、その他、いろいろ必要なものは、ここから出して。」と現金50万円の入った封筒を渡す。

「こんなんええよ。お姉ちゃん、お母さん、大丈夫やから。」

「いや、余ったら返してもらうし。足らんかったら、言って。その代わり、領収書とレシートを全部、置いといて。」と優しく言う。


お母さんの命が、助かったんだから、別にそれくらい、どうってことはない。むしろ、それくらいで、お母さんが助かるなら、安いもんだ。

「じゃあ、行ってくる。整形外科には、タクシーで行ってね。お金は、そこから出して。領収書、よろしくね。」
と言って、急いで会社に行く。

会社に着くと、西山所長が心配して、
「はなちゃん、おはよう。お母さんの具合は、どうや。後遺症は、出てないか?俺も、ちょっと調べたんやけどな、これ、県の無料相談の申し込みの電話番号や。予約が、要るらしいわ。一回、そこにかけてみて、ちょっと相談してみたらどうや?」
と言って、電話番号の書いたメモ用紙を渡してくれる。

「ありがとうございます。後で電話して、聞いてみますね。」と、お礼を言う。

西山所長は、心配性で、グタグダうるさいと感じるときもあるけど、優しい。

{そうだ。やっぱり、こういうことは、プロの弁護士に頼ったほうが、いいかも。何ていっても、プロなんだもんね。}と、私は、納得して、
早く仕事を片付けてしまおうと、仕事に取りかかる。

午後2時くらいに、仕事が一段落したので、所長に教えてもらった、県庁の弁護士の無料相談に電話をかける。

優しそうな女の人が出たので、交通事故の無料相談の予約のことを聞いた。

女の人が、「次の予約は、来月の第二水曜日になりますが、大丈夫ですか?毎月、第二水曜日しか、していないんですが....」と、心配そうに尋ねる。

{えっ!あと、2週間以上先じゃん。
チッ、役にたたない所長め。}
と、恩を忘れて、1人愚痴る。

しばらく、困って沈黙していると、
「よろしければ、日弁連の交通事故の無料電話相談が、ありますので、ご紹介しましょうか?平日の4時半まで、していますし。」と教えてくれる。

「ありがとうございます。是非、お願いします。」と喜んで答えて、
電話番号を教えてもらう。

親切な人で、ラッキーだったなと機嫌を直して、早速、電話をかける。

受付の女の人が出て、折り返しの電話番号を聞くので、自分の電話番号を答える。

折り返しに、少々、時間がかかるということだったので、この間に、よくテレビで宣伝している、 ‘ 過払金の相談なら、パパイア法律事務所 ’ にも相談してみようと、ネットで調べる。

メールの無料相談が、あったので、個人情報と詳しい事故内容と、相談内容を書いて、送信する。

しばらく、仕事をしていると、私の携帯に電話が、かかってきた。

「私、弁護士の村田です。お電話いただいた件で、詳しい事故内容を教えていただけますか?」と疲れ気味に言う。

{ちょっと若そうなイマイチそうな弁護士さんだ。まあ、無料なんだから、仕方がない。}と、思いながら事故の状況を説明する。

「こちら側が細い道で、向こうが二車線の優先道路、向こうが直進、こちらがスクーターで、右折。信号機は無しで、いいですね。」と業務的に淡々と言う。

私が、「そうです。」と答えると、

「では、相手側が被害者、こちらが加害者で、7対3の過失割合になります。」
と無感情で、言われる。

「え?お母さん、怪我してるのに、加害者なんですか?」とビックリして聞く。

「他に何か違う状況があれば、少しは変わりますが、それより、お母さんって言ってますけど、本当は、ご自分が、事故ったんじゃないですか?」と、意地悪く聞く。

「はぁ?もう、いいです!」と、腹が立って、電話を切る。

{ふん!所詮、無料の相談なんかしてる弁護士なんて、こんなもんだよ!むかつく。お母さんが、加害者とかって、言い方ってもんが、あるだろうが!無能なくせに、疑い深いし嫌なやつ!}と、腹が立って仕方なかった。

{あ~!ムカつき過ぎて、仕事でけへんわ!}と、イライラしながらネットで過失割合のケースを調べる。

確かに、そういう場合は、3対7で、お母さんの方が、分が悪いと、決まっているようだ。

なるほど、道路の優劣、信号の有無、直進と右折、左折で、過失割合のパターンは、決まっているのか。

だから、あの保険屋のババアは、あんなに高飛車な態度に出てたのか。

でも、何にでも、例外と抜け道は、あるものだ。

パパイア法律事務所は、あんなにテレビで宣伝して、有名なんだから、そういうのは詳しいんじゃないかな。

あ~!にしても、あの弁護士の言い方が、むかつく。

今日は、仕事にならないから、定時で帰ろう。



🐈続く🐈