ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝と保険屋との闘い- 戦闘準備1-

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝の行政書士試験】をクリックすると、ひかるの行政書士試験合格までの物語だけが、出ます。🐈







定時になって、母を病院に連れていくために帰路を急ぐ。
運転しながら、保険屋、山さん、所長のそれぞれの話しを思い返しながら、重要なキーワードを整理する。

物損→人身 警察官 無料
交通事故相談 ファミリーバイク
加害者 過失割合 ネット保険
後遺症 スクーターの修理 第三者の請求? 自賠責の請求?

これらの言葉が、頭に浮かんだ。
今のところ、これらが重要ワードのようだ。

家に着いて、お母さんを車に乗せて、整形外科に向かう。

右目の下が腫れ上がり、右足を少し引きずっている。そこらじゅう、打撲と切り傷で、湿布と絆創膏だらけだ。
今は、7月なので、服が軽装だから、余計に目立つ。
というか、本当に痛々しい。

これが、加害者の姿なんだろうか?
また、怒りの炎が大きくなる。

お母さんに、軽い調子で、どうも運悪く、たちの悪い相手にひっかかったようだよと説明する。

「お母さん、失敗してしもたね。ごめんね、お姉ちゃん。」
申し訳なさそうに、お母さんが謝る。

!! ! ぜ~ったい ち が う !!
お母さんに、何も失敗のところは見当たらない。何も避けられなかった。
どうしようもなかった。

というか、お母さんをあの保険屋のババアと直接、話させなくて良かった。
あのババアは、調子にのって、お母さんをとことん悪者扱いして、いいように物事を進めたに違いない。
お母さんは、素直に謝って、何でも言う通りにしますとなっていたはずだ。

というか、あのババアは、これまでずっと、そんなやり方をしてきたに違いない。一体、何人の人が今まで煮え湯を飲まされてきたんだろう。
ほんとに腹立たしいババアだ。


尾崎整形外科に着いて、待合室で待っていると、掲示板のポスターに目がとまる。
- -交通事故で困ったら
そんぽADRセンターに相談を--

そんぽADR??
どこかの保険会社なのかな?
とりあえず、この言葉も覚えておこう。


「花田さん」
看護婦さんによばれて、お母さんと一緒に診察室に入る。
尾崎先生と看護婦さんが、心配そうにお母さんを見る。
「どうですか。どこか痺れたり、おかしいなと感じるところは無いですか?」

「はい。右足首が痛いです。あとは、打った所とか、傷の所も痛いです。痺れとかは、有りません。」

尾崎先生が、足首やそこらじゅうの打撲や傷のところを丁寧に診る。

「うん、右足首は捻ったみたいだからね。かなりひどい捻挫だからね。ちょっと時間がかかるよ。でも、骨折はしていないからね。打撲と傷は、日にち薬だからね。湿布と軟膏で、毎日、ちょっとずつ治していこうね。心配なのは、後遺症が、出ないかだね。結構、後から出てくることもあるからね。しばらく、様子をみていこうね。」

「はい。ありがとうがざいます。」
お母さんは、安心したようだ。

先生にお礼を言って、診察室を出て、待合室で会計を待つ。
とりあえず良かった。怪我が大丈夫そうで。少し、ほっとする。

「花田さん」
呼ばれて会計に行くと、
「まだ、10割で払われるんですか?」
と会計のベテラン風の女の人が、心配そうに尋ねる。
私は、相手の保険会社から怪我の保険は出ないと言われたことを、詳しく説明する。

女の人は、静かにうなづきながら、「それでしたら、市役所に【第三者行為による傷病届】を出したらいいですよ。詳しいことは、市役所で教えてくれるはずです。」と親切に教えてくれる。

【第三者行為による傷病届】

これか!あのババアが、出来るものならやってみたら?って感じで言ってたのは。
早速、帰ったら市役所勤めの麻美ちゃんにメールを入れて教えてもらうことにしよう。


一つ一つ調べていこう。
相手は、保険のプロだ。
こっちも、知識をまず入れなくてはいけない。
そして、じっくり戦略を練ろう。
慌てる必要は、全くない。
今の時点では、完全敗北の状態なのだから、失うものがない。
後遺症が出ないか経過をみたいから、むしろ時間を稼ぎたい。

みとけよ。
私のことを素人で、口数も少ない、脅すような迫力もない、ひ弱な小娘と思っている口先八丁の保険屋のババア。

脅さなくても、力がなくても、口が立たなくても、頭を使えば勝てるということを思い知らせてやる。


🐈続く🐈