ミュウと日向の物語

【ミュウと日向の大学時代の物語】と【輝の行政書士試験に受かるまでの奮闘記】です。他の物語も書いていきます。🐈

輝と保険屋との闘い-ラウンド1-後編

↑カテゴリー別のタイトルで、編集しました。【輝の行政書士試験】をクリックすると、ひかるの行政書士試験合格までの物語だけが、出ます。🐈






「やあ、花ちゃん、おはよう!」山さんが西山所長と事務所に入ってくる。
おはよう、山さん。私は、微笑みながら言う。

山さんは、うちの会社の長年のお客様だ。所長とは長い付き合いで仲がよく、事務所にも、しょっちゅう来られるので、私とも気さくな関係だ。

所長が「お母さんの調子は、どうや?昨日、福丸の社長から事務所に電話がかかってきて俺が取ったら、何や?事務員に逃げられたんか?って言われたよ。事情を説明したら、それは心配なことじゃねえか。って、えらい心配してたで。」と心配そうに言う。

福丸の社長は、うちの会社の大得意様だ。いつも、高級な蜂蜜入りの梅干しとか、高級ジュースの詰合せとかを、「お嬢さん、いやいや、お付き合いだからね。」と、わざわざ事務所まで私に届けてくださる。

お母さんは、骨折は、してなかったですし、後遺症も今のところ、事故のときの記憶が無い他は、出ていません。
ただ、さっき相手の保険屋から電話がありまして...と先程のやりとりを詳しく説明する。

山さんが「それは、おかしいわ!うちの嫁さんがバイクと事故ったとき、警察にバイクのほうが、悪くても、車のほうが悪なるから、保険使ってあげなさいって言われて使ったんやで。人身にしたくないから、はったり言うてんの違うか?物損は、あかんわ。悪いこと言わんから、人身にしとき。」と忠告する。
所長が「確か、無料の交通事故相談ってのが、あるはずや、一回相談に行ってみたらどうや。」と教えてくれる。
「でも、物は考えようや。お母さんの命が助かっただけでも良かったやないか。」と宥める。


そう。確かに私も、ついさっきまで、全く同じ考えだった。さっきまでは...
でも、あの保険屋のババアが、私に怒りの火をつけた。
私は、滅多に怒ることがない。

みとけよ、あのババア!そして大塚って女!後で死ぬほど後悔させてやる。

私の怒りの炎が、燃え広がる。